唯一ノ趣味ガ読書デス

ハードボイルドや刑事モノばっかりですが、読んだ本をご紹介。

バカバカしいけど、投げ出せない、ギャグ満載の…。滝田務雄さんの「和気有町屋南部署 デカは死ななきゃ治らない」を読む。

 

和気有町屋南部署: デカは死ななきゃ治らない (徳間文庫)

和気有町屋南部署: デカは死ななきゃ治らない (徳間文庫)

 

 

 

ぶっ飛んだ物語が続く。

 

まずは、タイトル。

「和気有町屋南部署(わけありやみなべしょ)」、

所轄の名前だ。

 

さらに、登場人物の名が、まるでギャグ。

 

まず、主人公は刑事課の課長、沖手範丞(おきてはんじょう)。

(起きて半畳、寝て一畳?)

さらに、新米刑事の十並人司(十人並?)。

 

名前だけじゃない、そのキャラも、ふざけ放題?

 

刑事ではあるが、沖手を強烈にストーキングする

根手(ねて)仁美。

あまりの対人恐怖症で、いつもソファの中に

隠れている鰻野刑事。

 

最もドギツイキャラが、この和気有という街か。

沖手の曽祖父であり、伝説の名探偵でもあった沖手千貫が

かつての犯罪者を集めて作った街であり、無法地帯。

 

ま、ここまで来ると、本当は、シュミじゃないと、

最初から手に取ることはなかったはずなのだが。

 

うっかり読み始め、バカバカしいはずなのだが、

いつのまにか、ページを繰っている。

 

伝説の名探偵に心酔し、その遺志を継ぎ、

後継者にならんとする者が、

ひ孫である範丞を狙っている。

 

この範丞、おバカなところもあるのだが、

流石、名探偵の血を引くのか、事件のたびに、名推理を繰り広げるのだ。

バカなところと、一本筋が通ったところ、

その緩急に、引き込まれていく。

 

範丞と、「遺志を継ぐ者」との闘い、

ホント、いつのまにか、結末が知りたくなってくるのである。