唯一ノ趣味ガ読書デス

ハードボイルドや刑事モノばっかりですが、読んだ本をご紹介。

通信指令室にかかって来た通報だけで、事件を解決?新しい「安楽椅子探偵」モノ。佐藤青南さんの「お電話かわりました名探偵です」を読む。

 

お電話かわりました名探偵です (角川文庫)

お電話かわりました名探偵です (角川文庫)

  • 作者:佐藤 青南
  • 発売日: 2020/12/24
  • メディア: Kindle版
 

 

 

Z県警通信指令室の女性警官、君野いぶきが名探偵役をつとめるのだが、

視点として話を進めるのは、いぶきの隣に座る、

後輩の早乙女廉。

 

110番に掛かって来た通報だけで、事件の全容を明らかにしてしまう、

安楽椅子探偵型の警察モノである。

いぶきは、その並外れた推理力で、千里眼ならぬ、「万里眼」と呼ばれている。

 

通信指令室が設定と言えば、前に、耳の良い女性警官と、

刑事がコンビで活躍するテレビドラマがあったことを思い出す。

 

あっちのほうは、かなりシリアスだったが、

こっちは、名探偵と後輩クンとの恋模様のようなものもあり、

少々、グダグダしている。

 

何より気になるのは、後輩クンのヘタレ加減が半端ないことだ。

ウブというにはバカバカしいほどのキャラで、

そのくどくどとした言い訳めいた心の声を、延々聞かされるのは…。

 

後輩クンの立ち位置としては、名探偵の傍にいる、

いわゆるワトソン役なんだろうが、これじゃぁ…なぁ。

 

それに、いぶきのキャラが、まだぼやけていて、

感情移入しにくい。

 

シリーズ化されるとしたら、

後輩クンをもう少し、成長させて欲しいが…。