天気予報が嫌いなお天気お姉さんと探偵の、不可思議なコンビ。キャスターなのに、仏頂面…。伊与原新さんの「蝶が舞ったら、謎のち晴れ 気象予報士・蝶子の推理」を読む。
探偵とお天気キャスターのコンビ。
珍しい設定、かもしれない。
探偵登場と言っても、ガチのハードボイルドでは、ない。
(淡く、可愛らしい装丁を見ただけで、気づくか)
名探偵役は、探偵ではなく、お天気お姉さん。
探偵、夏生と、気象予報士の蝶子は幼馴染。
だが、小学校の頃の落雷事件で、
上下関係は、はっきりついた。
そう、マウントをとったのは、蝶子だ。
このコンビが、雷、台風、桜開花といった、
お天気の絡む謎や事件を紐解いていく。
もう一つ面白かったのは、彼女のキャラ。
仏頂面で、言いたいことだけ言う、異色のお天気キャスターだ。
幼馴染って、いいなぁと思う。
自分の本質が現れていた幼き頃を共有したということは、
肉親のような、人間的つながりがあるということ。
幼馴染が恋愛に変化するケースもあるだろうが、
恋ではない、ただ、純粋な心の繋がりを持てるなら、余計…。
ま、この二人が、幼馴染以上になるのかどうかは…。
クスっとしながら、サクっと読めるライトなミステリーだった。