探偵役のおあばあちゃん、ひとクセもふたクセもありそうな…。蒼井上鷹さんの「お隣さんは、名探偵 アーバン歌川の奇妙な日常」を読む。
郊外に建つマンション、「アーバン歌川」が舞台。
住民のおばあちゃんが探偵役となって、
各家庭の秘密に迫ったり、謎を解き明かしていく連作モノ。
住民の一人、オババの平本さんは、
「大家さんに頼まれて、逃げだしたペットのトカゲを探してます」という口実で、
他の住民の部屋に上がり込む。
各話の合間に、平本さんと大家の会話が挟み込まれているが、
大家が、マンションのシェアハウス改装を狙っており、
住民を追い出そうと画策しているようで、
住民の弱みを握る手先として、平本さんが、おくりこまれているような…。
ん?このオババ、結構、ブラックなのか。
柔らかな笑顔の裏に、悪意が隠されている?
ライトな、ご近所の日常ミステリーかと思いきや、
結構、不穏な空気が漂い始めてくる。
で、やっぱり、結末が気になって、最後まで読まされてしまった。