唯一ノ趣味ガ読書デス

ハードボイルドや刑事モノばっかりですが、読んだ本をご紹介。

連続バラバラ殺人に見立て、謎だらけなのに、ギャグやおふざけ満載、こんな探偵モノって、アリ?霞流一さんの「フォックスの死劇」を読む。

 

フォックスの死劇 (角川文庫)

フォックスの死劇 (角川文庫)

  • 作者:霞 流一
  • 発売日: 2013/07/17
  • メディア: Kindle版
 

 

 

この手のジャンルを、バカミスと呼ぶのだそうな。

 

バカバカしさは、ギャグや、主人公の口から次々に飛び出す戯言に、

集約されている。

 

登場人物の名から店の名、地名、そして、

女と別れた理由が「パンツをレンチンしたから」…、

もろもろ、シャレてるのか、

ギャグなのか、冗談というか、おふざけのオンパレードだ。

 

だが、酒好き、女好き…、昭和以前の探偵の香りがプンプンして、

文章自体からもハードボイルドっぽさが感じられ、決して嫌いではない。

 

首や手足が切断された死体、現場には狐の面を始めとする小道具が散らばり、

見立て殺人の様相も…、そして、「ハモノハラ」という謎の言葉を

残して死んだ映画監督の墓の塔婆が空を飛び、近所の建物の屋上に

突き刺さっていたり、ともかく、これでもかと、謎や事件が起こり続け、

途中でお腹いっぱいになりそうだ。

 

登場人物も多く、結構、事件の様相が複雑で、めいっぱい詰め込まれ、

バカミスと鼻で笑えない。

 

作品中の、映画関係の蘊蓄も面白い。

 

好き嫌いがはっきりしそうだ。