唯一ノ趣味ガ読書デス

ハードボイルドや刑事モノばっかりですが、読んだ本をご紹介。

異端の巡査長、真行寺。今度の相手は、コロナ禍?…、榎本憲男さんの「インフォデミック 巡査長 真行寺弘道」を読む。

 

インフォデミック 巡査長 真行寺弘道 (中公文庫)

インフォデミック 巡査長 真行寺弘道 (中公文庫)

  • 作者:榎本憲男
  • 発売日: 2020/12/28
  • メディア: Kindle版
 

 

 

クセモノの巡査長、真行寺が活躍するシリーズの五作目。

 

毎回、政治や社会情勢の旬をテーマにしているが、

今回は、真っただ中のコロナ禍。

 

巨悪という、分かりやすいものが相手ではないだけに、

決着も、正解も無い。

 

落としどころが無いのは、このテーマゆえなんだろうが、

読者に、「考えろ」と、幾つもの課題を投げかけているのか。

 

コロナ対策を核に、国家対巡査長という絵図は面白い。

 

「DASPA」の吉良と真行寺は、似たような匂いを放ちながら、

やっぱり、相対していく運命なんだろう。

 

人間として、縛られない「自由」を求め続ける真行寺だが、

いつかは、警官であり続けることが難しくなるのだろうか。

 

そして、真行寺の言う「自由」など無いと言い切る黒木とも、

決別する日が来そうな感じもする。

 

さらに、今作のことで、サランとの関係は変わっていくのか。

 

この後の作品は、どんなテーマになるのだろうか。

 

興味はつきない…。

 

コロナ禍で何もかも自粛となった状況の中で、

伝説のシンガー、浅倉マキが大きなライブを開催するという。

真行寺は、開催中止の説得を、上司から託されるのだが、

そのライブには、サランも関わっていることを知り…。

 

浅川マキさん(をイメージしてるんだと思うけど…)、

懐かしい、好きだったなぁ。