異端の巡査長、真行寺。今度の相手は、コロナ禍?…、榎本憲男さんの「インフォデミック 巡査長 真行寺弘道」を読む。
クセモノの巡査長、真行寺が活躍するシリーズの五作目。
毎回、政治や社会情勢の旬をテーマにしているが、
今回は、真っただ中のコロナ禍。
巨悪という、分かりやすいものが相手ではないだけに、
決着も、正解も無い。
落としどころが無いのは、このテーマゆえなんだろうが、
読者に、「考えろ」と、幾つもの課題を投げかけているのか。
コロナ対策を核に、国家対巡査長という絵図は面白い。
「DASPA」の吉良と真行寺は、似たような匂いを放ちながら、
やっぱり、相対していく運命なんだろう。
人間として、縛られない「自由」を求め続ける真行寺だが、
いつかは、警官であり続けることが難しくなるのだろうか。
そして、真行寺の言う「自由」など無いと言い切る黒木とも、
決別する日が来そうな感じもする。
さらに、今作のことで、サランとの関係は変わっていくのか。
この後の作品は、どんなテーマになるのだろうか。
興味はつきない…。
コロナ禍で何もかも自粛となった状況の中で、
伝説のシンガー、浅倉マキが大きなライブを開催するという。
真行寺は、開催中止の説得を、上司から託されるのだが、
そのライブには、サランも関わっていることを知り…。
浅川マキさん(をイメージしてるんだと思うけど…)、
懐かしい、好きだったなぁ。