「潔癖」刑事と、空気を読まない新米女刑事のコンビシリーズ、二作目！…梶永正史さんの「殺意の証 警視庁捜査一課・田島慎吾」を読む。
モノは所定の位置。少しでも歪んでいると落ち着かない。
報告書は誤字脱字の無い完璧なモノに。
筋読みも、もちろん、順序だてて論理的に。
完全なる「潔癖」刑事の田島と、
上司を上司とも思わない傍若無人ぶり、
空気を読まない言動の新米刑事、毛利恵美、
このコンビシリーズの二作目である。
ここまでチグハグで、かみ合わない刑事コンビは
見たことがない。
だが、そのかみ合わせの悪さが、読むワタシにとって、
いつしか、心地よいものになっているのは、なんとしたことか。
もちろん、言いたい放題の毛利には、しょっぱなから
イライラさせられたのだが。
毛利の想定外の動きにアタフタしたり、
うまく乗せられたりする田島を見ているのも楽しくなった。
ま、このコンビはこのままでいいのかもしれない。
都内で女性の刺殺事件が連続して起こる。
一件目は戸越で看護師が、さらに荒川の河川敷で主婦の
遺体が発見された。
遺体の傍には、キャラクターグッズが置かれていたことから、
同一犯の仕業を疑う。
そして、三件目、女子大生が襲撃されたが、
幸いにも未遂だった。
その被害者の聞き取りから、ストーカーの存在が
浮かび上がる。
田島は、ストーカーと連続殺人の結びつきに、
違和感を覚え、独自に捜査を進めるのだが…。
一転、二転する展開で、十分堪能できた。
