刑事時代の風間に会える、相変わらず指導官なのだが…。長岡弘樹さんの「教場0 刑事指導官・風間公親」を読む。
風間教官シリーズの三作目、風間公親の刑事時代、
警察学校の教官になる前の物語なので、エピソードゼロだ。
犯人がすでに判明している、いわゆる倒叙モノ。
風間が刑事指導官として、新人の指導にあたる
「風間道場」に放り込まれた新人刑事が
探偵役となって事件の謎を解明していく。
六編の連作。
事件捜査で、風間の指導を受ける六人の新米は、
鬼教官から「交番勤務に戻りたくなければ…」と、
厳しい言葉を投げかけられる。
それは、単なる威しではない。
門下生である新米が、捜査に行き詰った時でも、
風間の鋭い眼は、全てを見通している。
そして、ヒントを与えるのだが、最小限だ。
優秀で厳しい指導官の下での「修行」は、
ラッキーなのだろうが、胃に穴があきそうだ。
ホントは、風間が舞台の真ん中に立って、
難解な事件に挑む姿を、長編で読みたいとは思うのだが、
そうなると、「教場」シリーズではなくなってしまうか。
「あとがき」を読むと、どうやら、二〇二〇年新春に、
「教場」のTVドラマが放映されるという。
風間を演じるのが、〇〇〇〇さんだそうだ。
う~ん。
ワタシの頭の中には、もうすでに、風間のイメージが確立されており、
その姿は、〇〇〇〇さんではなく…。