中山七里さんの「連続殺人鬼カエル男ふたたび」を読む。
タイトルからも明らかなように、
あの、カエル男の恐怖が再現する。
「爆ぜる」、「溶かす」、「轢く」、
「破砕する」と、始めから終わりまで、
おぞましい殺戮がノンストップで続くから、
もう、ページを繰る手を止められない。
それこそ、ノンストップで読み切ってしまった。
それにしても、渡瀬、古手川コンビはいつ読んでも、
何を読んでも面白いが、今回は、渡瀬の敗北なのか…。
前作から続く、「刑法三十九条」問題は、
誰にも正解は出せないように思うが、
それでも、少しでも納得がいくような答えは、
どこかにないのだろうか。
飯能市五十音順連続殺人事件の重要な関係者、
御前崎宗孝の自宅で爆発事件が起こり、
破壊されたリビングのいたるところには、
人の肉片や血が散乱していた。
そして、その場には、
「きょうばくちくをかってきたよ。
おおきなおとをたてて、なんでも
ばらばらにするんだ…かえるのなかに
いれてひをつけてみた。かえる
ははなびみたいにばくはつした。
ふくにかえるのめだまがくっつ
いたよ。」と書かれたメモが残されていた。
ひらがなだけの稚拙な文章は、
五十音順連続殺人事件、通称カエル男事件でも
置かれていたメモに酷似していた。
カエル男の再来なのか。
事件が続いて起こるにつれ、
渡瀬の凶悪な顔がますます凶悪になる…。