事務員の洋子が殺人事件の容疑者に…。事件の陰に、洋子、そして御子柴の過去が…。中山七里さんの「復讐の協奏曲」を読む。
御子柴シリーズの最新刊。
このシリーズを追っていると、
「心の中に獣を飼っている」御子柴の、向かうその先に、
何があるのか、ホントに気になるときがある。
彼が少年の時に犯した罪が蘇り、始末をつけることになる今回も、気になる。
彼の物語は、最終的に、どんな形でオチがつけられるのだろうか、と。
そして、事務員の、日下部洋子の心のうちを、
もう少し、深く、見てみたかった。
あっさりし過ぎていたような…。
「死体配達人」と呼ばれた過去を明らかにした御子柴。
そのせいで、「この国のジャスティス」と名乗る者に扇動された形で、
事務所に懲戒請求が大量に届く。
そんな中、洋子は、コンサルタントの知原から食事に誘われ応じるのだが、
その夜、知原は何者かに刺殺される。
凶器のナイフから、洋子の指紋が検出され…。