唯一ノ趣味ガ読書デス

ハードボイルドや刑事モノばっかりですが、読んだ本をご紹介。

理屈なしに楽しめる、女性白バイ隊員の奮戦記。隊員たちの追跡シーンが、カッコいい…。佐藤青南さんの「白バイガール」を読む

 

白バイガール (実業之日本社文庫)

白バイガール (実業之日本社文庫)

  • 作者:佐藤 青南
  • 発売日: 2016/03/25
  • メディア: Kindle版
 

 

 

新米の女性白バイ隊員、本田木乃美が主人公。

 

「すみません」が口癖の気弱で、「ヘタレ」として

描かれていた彼女が、事件に遭遇するうち、

一人前の隊員、いや、それどころか、並外れた動体視力を生かしながら、

欠くことのできない仲間として育っていく。

ま、一つの成長ストーリーかな。

 

レギュラー陣のキャラも、魅力たっぷりだ。

抜群のテクニックを持つ潤や、

軽いが熱い元口、冷静な梶、そして、頼れる班長、山羽。

さらに、同期で刑事の坂巻や、その先輩刑事の峯など、

輪が広がるほど、おもしろくなってくる。

 

彼らのやり取りも、温かさも、ひっくるめて

すがすがしい。

 

仲間同士の熱い思いが描かれるだけでなく、

後半部分、隊列を組んで犯人を追い詰める、

スピード感あふれるシーンは、カッコいい。

 

ともかく、理屈なしに楽しめる、エンタテインメント作品だ。

 

木乃美は、違反者を捕まえても、いいようにあしらわれ、

ノルマ達成もままならない。

同僚の女性隊員、潤にも疎んじられている。

 

だが、バイク暴走死亡事故に関わるうち…。