理屈なしに楽しめる、女性白バイ隊員の奮戦記。隊員たちの追跡シーンが、カッコいい…。佐藤青南さんの「白バイガール」を読む
新米の女性白バイ隊員、本田木乃美が主人公。
「すみません」が口癖の気弱で、「ヘタレ」として
描かれていた彼女が、事件に遭遇するうち、
一人前の隊員、いや、それどころか、並外れた動体視力を生かしながら、
欠くことのできない仲間として育っていく。
ま、一つの成長ストーリーかな。
レギュラー陣のキャラも、魅力たっぷりだ。
抜群のテクニックを持つ潤や、
軽いが熱い元口、冷静な梶、そして、頼れる班長、山羽。
さらに、同期で刑事の坂巻や、その先輩刑事の峯など、
輪が広がるほど、おもしろくなってくる。
彼らのやり取りも、温かさも、ひっくるめて
すがすがしい。
仲間同士の熱い思いが描かれるだけでなく、
後半部分、隊列を組んで犯人を追い詰める、
スピード感あふれるシーンは、カッコいい。
ともかく、理屈なしに楽しめる、エンタテインメント作品だ。
木乃美は、違反者を捕まえても、いいようにあしらわれ、
ノルマ達成もままならない。
同僚の女性隊員、潤にも疎んじられている。
だが、バイク暴走死亡事故に関わるうち…。