「夢売り」がうなされる悪夢は、少年がアイスクリームで溺死している、というもの。フロイトたちは解き明かせる?内藤了さんの「夢探偵フロイト アイスクリーム溺死事件」を読む。
「夢探偵フロイト」シリーズの四作目。
この作家さんのシリーズ作品、
「猟奇犯罪捜査斑」や「よろず建物因縁帳」などと比べると、
登場するレギュラー陣の数が少ないせいなのかどうか、
シリーズ全体が、ぼわぁっというか、もあっというか、
そんな感じを受ける。
ぼあも、もあも、説明が難しいのだが、
決して、悪い意味ではない。
レギュラー、三人の風貌から来るものなのか、
とにかく、ゆるやか~で、ぼんやりした、
やわらか~な感じなのである。
悪夢を解き明かすというのだから、
もうちょっと、ドロドロしているというか、
おどろおどろしいというか、そんな場面があるものと
思っていたのだから。
三人の間に流れる空気感が柔らかくて、
決して、ヒリヒリした感じにはならない。
このシリーズは、それでいいのだろう。
今回は、人を操り、破滅に導くことに快感を覚える「夢売り」こと、
卯田姫香がうなされる悪夢を解いていく。
夢の中では、アイスクリームがたっぷり入った大きな容器に、
少年が、頭から沈んで、溺れているのだという。
それを、自分は、見ていた…、と。