新米弁護士、木村が任されたのは医療過誤訴訟だったが、患者の不自然な死に遭遇することに…。織守きょうやさんの「301号室の聖者」を読む。
新米弁護士シリーズの二作目。
主人公の木村は、相変わらずの大甘で、青臭い。
ま、まだ新米なのだから、青臭いのも仕方ないことか。
そして今回も、腹立つほど、関わった人物に感情移入していく。
木村の、そういう甘さや青臭さがこのシリーズの特徴で、
そんな木村の目線が、重くなりがちな空気感を
少しでも、軽いものにしてくれるのかもしれない。
真相の究明は、先輩弁護士、高塚に任せてしまえばいいのだし…。
今回は、医療過誤、延命治療、介護…、
ただでさえ、果てしなく暗く、思いが沈みそうなテーマで、
それでも、木村が「友達」になった、
東棟301号室の少女の潔さが、清冽だった。
顧問先の病院で起こった医療過誤訴訟を任された木村。
だが、その中で、同じ病室の患者二人が続けざまに
不自然な死をとげる…。