唯一ノ趣味ガ読書デス

ハードボイルドや刑事モノばっかりですが、読んだ本をご紹介。

一筋縄ではいかない問題が多すぎる…。刑事・犬養が挑む相手は、民間医療?新興宗教? 中山七里さんの「ラスプーチンの庭」を読む。

 

ラスプーチンの庭 (角川書店単行本)

ラスプーチンの庭 (角川書店単行本)

  • 作者:中山 七里
  • 発売日: 2021/01/29
  • メディア: Kindle版
 

 

 

このシリーズは好きなのだが…。

 

「切り裂きジャックの告白」に始まる、

刑事・犬養隼人シリーズも、短編集も含み六冊目。

 

第一作の臓器移植から、子宮頸がんワクチン、

安楽死など、医療にまつわるさまざまな問題が扱われ、

病気の娘を抱える犬養の葛藤なども相まって、

「読ませる」作品ばかりだ。

 

今作では、高額な先進医療、民間医学、宗教といった、

やはり、一筋縄ではいかない問題が扱われているが、

もう一つ、突っ込みきれなかったような気がする。

 

結末も、あっさりしすぎたような…。

 

犬養の娘、紗耶香と同じ病院で闘病生活を送っていた少年が、

突然、退院していった。自宅療養に切り替えたのだという。

だが、そのすぐ一カ月後、少年の死が知らされる。

 

死因は病死で事件性はみられなかったが、

全身に奇妙な痣があったことが判明する。

不審を抱いた犬養は捜査を始めるのだが…。