”積んどく”本がなくなったので、宮部みゆきさんの「震える岩」と「天狗風」を再読。
時間がたつと、何度でも読み返したくなる作品の一つ。
この作家さんの時代小説、特に、少女が主人公となるものは、
少女の魅力がキラキラと輝いて、読んでいる間中、ワクワクしてしまうものが多い。
この「霊験お初捕り物控え」シリーズもそうであるし、
「三島屋」シリーズのおちかもそう。
そして、少女だけでなく、登場人物や「あやかし」たちも、
実に魅力的だ。
この魅力的なキャラたちが、ページの上で踊る踊りに導かれながら、
奥へ奥へと進んでいくのが心地よい。
これこそ、ミヤベワールドと言われるゆえんか。
主人公のお初は、特殊な力を持ってはいても、明るい、素直な少女だ。
特殊な力を恐れ、怯えることもあっただろうが、
負けることなく、そして溺れることなく、前向きだ。
辛い過去や、人に言えぬ思いを抱えながら、それでも、
両足をぐっと踏ん張り、
悪意をはらむ闇、そして悪意そのものと対峙し、
そいつらに呑み込まれることなく、戦う。
その勇気、気概は、ワタシたちが生きる上で望むものだ。
あの時、こんな勇気があったなら…と。
「天狗風」から、ずいぶん長い間、お初に会っていない。
そろそろ、会いたいなぁ。