小路幸也さんの「花咲小路三丁目のナイト」を読む。
「花咲小路商店街」シリーズも4作目。
一作一作、登場人物が増え、
かなりの人数になるのは、
「東京バンドワゴン」シリーズと同じ。
悪意や冷笑、皮肉は一つもない。
その影もなく、
一点の曇りもない青空を見てるような気にさせてくれる。
良い子、良い大人ばかりで、
それを物足りなく思う人もあるだろうが、
爽やか、清々しい読後感は、
誰も文句はないだろう。
商店街に生きる普通の人々、とは言え、
中には、特殊な能力を持つ人物や
怪盗紳士などもいて、
そんじょそこらの商店街とは言い難い。
だが、暖かい気持ちにさせてくれる物語であることは
間違いない。
深夜営業の喫茶店「ナイト」に居候する望が
今回の主役。
ナイトは、人々の相談所になっている。
主は叔父の仁太。
世界各国を放浪した後で、
この商店街に戻り、店を開いた。
なかなか、個性的で、奥の深い人物である。
前作までの登場人物も混じり、
今夜も、問題を抱えた人が、ナイトの扉を開ける。