過去の「ワケ」がてんこ盛り、刑事部資料課の女警官が活躍する…。山邑圭さんの「コールド・ファイル 警視庁刑事部資料課・比留間玲子」を読む。
「刑事に向かない女」で知った作家さんの作品。
少々訳ありの女警官モノで、興味を持って手に取る。
警視庁の資料課に勤務する比留間玲子。
モデルの経験があり、芸能界に足を踏み入れたものの、
母親との確執で、拒食症や過食症を患う。
アラスカに留学し、帰国して警視庁の刑事になり、
初めての捜査で失敗し、責任を取らされ、資料課に異動…、
と、少々どころではない、「訳てんこもり」だ。
過ぎたるは及ばざるがごとしで、
前半はなんか、ゴチャゴチャしていたが、
それでも、スピード感を増し、付いていけた。
だらだらと整理している資料の中の、
1件の捜査資料が目に付く。
それは、モデル時代の先輩、村雨マリが殺人の
被害者となっていたというもの。
そこから、玲子の捜査が始まっていく。
過去の因縁ということで、まあ、導入としては、
それほど目新しいものではない。
ただ、資料課の仲間や、ダラダラ付き合っている恋人、
元刑事の大庭など、登場人物がクセモノ揃いで、
徐々に面白味を増していく。
シリーズ化、アリか、な…。