「つながりません」、彼女の一言で、動き出すのは事件、なのか。長岡弘樹さんの「つながりません スクリプター事件File」を読む。
短編の名手の作家さん。
読んでいくうちに、主人公への思い入れが強くなる
連作モノが好きなのだが、この作家さんの作品には連作モノが少ない。
シリーズ色が濃くなるとカセになると、嫌う人もいるからかなぁ。
この作品で一応、探偵役となるのはスクリプター、真野韻。
映画の撮影現場で、シーンや状況の繋がりを管理する仕事だ。
つかみどころのないキャラクターで、それは、
裏方である仕事とうまく溶け合っている。
「つながりません」という彼女の言葉で、
事件(?)は動き出す。
感情を見せない彼女のキャラのせいか、
物語に飛び込んでいく醍醐味という点では、一つ物足りないが、
もうちょっと読んでみたい、という気にはさせる。
第一章「火種」が発端となり、
その後の章に、繋がっていくとも思われるが…。