相場英雄さんの「ガラパゴス」を読む。
上下2巻で、読み応えのある作品だった。
人間扱いされない派遣労働者、欠陥車隠し、トラブルの隠蔽など、日本経済、
製造企業、人材派遣会社が抱える問題、そして闇が凝縮されたミステリーだ。
警視庁継続捜査班の刑事、田川は、同期の鑑識課、木幡から
身元不明遺体の身元割り出しの手伝いを頼まれる。
その作業中、自殺として処理された男性遺体の写真から、
実は、他殺体であることを見抜く。
その瞬間から、長く困難な捜査が始まるのだ。
だが、最後がなぁ~。権力を持つ人間がよってたかって、
真実に蓋をする。巨悪に手が届かない。
そんな構図の作品は、もう、飽き飽きなんだけどな。
だからやっぱり、スーパーヒーローの登場を、誰しも
願ってしまうんだろうな。