今度は、新米刑事時代に逆戻り。凪子の熱く、初々しい活躍、これもまたいい。松嶋智左さんの「貌のない貌 梓凪子の捜査報告書」を読む。
一度、気に入った作家さんの作品を読みつくす。
というわけで、続けざまに。
「虚の聖域」の続編。
当然、探偵、梓凪子のその後の物語なのかと思ったが、
なんと、新人刑事時代のエピソード。
これは、やらかしたという件の話かと思いきや、
全く別の事件の話。
前作は「調査報告書」で、こっちは「捜査報告書」。
と、振り回された感じだが、そう思うのは、こちらの勝手な思い込みか。
周囲から期待などされず、失敗を繰り返し、それでもナニクソと、
前へ進む。
新米で、足が速いだけが取り柄のペーペーの一捜査員で、
だからか、探偵になった後の凪子よりは、新鮮で熱い。
この時代の凪子も、いい感じだ。
指導係の島尾とのコンビも、面白い。
管轄では、連続殺人と思われる遺体が続けざまに見つかっていた。
だが、凪子は捜査本部入りから外された。
そんな折、観光で来日した中国人夫婦が行方不明になり、
彼らを捜す仕事に充てられる。
夫婦の娘も来日し、さらに、領事館から男が派遣され、不審な動きを見せ始める。