不朽の名作。秋山父子の活躍、剣客の生きざま、すべてが体に馴染む。池波正太郎さんの「剣客商売」を読み返す。
近頃、「剣客商売」を読み直している。
まだ、本満載の船便、第二弾が届かないものだから、
本棚にしまってあるシリーズを引っ張り出して来た。
ワタシなぞが、書くまでもない、
超有名な名作シリーズだ。
今から、半世紀前に書かれたものだが、
いつ読んでも、面白い、唸らされる。
今、次から次へと出版されている大衆小説の中で、
これから半世紀後の読者をこれだけ楽しませるものが、
果たしてどれほどあるのだろうか。
シンプルで、自然で、分かりやすい文体。
こちらの読む流れを止めることは、全くない。
秋山小兵衛の人柄や、考え方、生き様、
すべてが、体にしっくり馴染んでくる。
江戸の匂いが、そのまま、こちらへ流れてくるようだ
(ま、想像だが)。
各短編で登場した人物たちが、その後、繋がって、
関わってゆくのも楽しい。
このシリーズは、「鬼平犯科帳」とともに、
この先も、死ぬまで、何度も繰り返し読み、
楽しませてくれるのだろう。