事件の繋がりは明らかになるが、さらに深い泥沼にはまったような…。黒幕の正体が浮かび上がり、決着へ…。伊兼源太郎さんの「残響 警視庁監察ファイル」を読む。
あ~、三作目にして、やっと、片が付いた、のだよね。
二作目から、いろいろな人物や部署が関わり、
置いてかれないように、何とか、ついていったつもりだが、
ここに来て、より複雑さを増し、
かろうじて、本筋だけは見失わないですんだみたいだ。
黒幕一人の思惑に、すべての人物が駒として動かされた構図は、
すべてが、むなしい。
正義もへったくれもなく、そして、人の命も…。
決着をみたのだとしても、後味の悪さが残った、かもしれない。
結局、監察の話だから、組織の膿だの、権力争いだの、
生臭い物語になるのは仕方ないが、
佐良や皆口の活躍、特に皆口のアクションシーンは、
スカッとさせてくれた。
すぐに、ということではないが、
佐良や皆口、そして須賀、能馬に、きっとまた、会いたくなるだろう。