玖村まゆみさんの「凸凹サバンナ」を読む。
このタイトル???って感じ。タイトルだけでは、
なかなか手に取ろうという気にならないだろう。
でも、どういうわけか、図書館で借りてきたのは、
玖村さんの作品だという、ただそれだけ。
玖村さんは、「完盗オンサイト」が面白く、注目していたんだけど、
なかなかその次の作品にお目にかかれなかったので、
タイトルは二の次で、すぐに手に取った。
ニセモノは、どこまでいってもニセモノで、ホンモノになりうる日は
決してない。
しかし、外はニセモノでも、中みがホンモノを上回る上物だったとしたら…。
一生懸命でお人好しだが、不器用すぎる田中貞夫。
法律事務所を開業したばかりの弁護士。
彼が、もう少し器用だったら、もう少し人が悪かったのなら、
こんなにも切ない人生を送ることはなかったのかもしれない。
でも、それは、決して、田中貞夫ではないのだ。