元警部の弟がホームズ役で、兄がワトソン。喫茶店を経営する兄弟が、いろいろな謎をサクッと…。似鳥鶏さんの「パティシエの秘密推理 お召し上がりは容疑者から」を読む。
誰が主人公なんだ?と、少々迷い気味。
結局、ホームズ役は、弟の元警部、惣司智(さとる)で、
そのお兄ちゃん、季(みのる)がワトソンという役回りだということ。
ただ、一話目を読むと、お兄ちゃんが、そんな義理もないのに、
県警本部秘書室勤務の直ちゃんこと、直井楓巡査に、なしくずしに、
事件捜査を振られ、ノってしまっている季に、少々イラっとくる。
まあ、物語の展開で、智が謎の解明に乗り出すというのが、
テッパンの流れとして成立するのだが。
季は、父の死後、経営していた喫茶店「プリエール」を引き継ぐ。
警察を辞めた智は、パティシエとして、兄を助けている。
兄弟は、常連として通ってくる直ちゃんに、
事件解決を頼まれ、謎解きを始める…。
喫茶店、フレンチレストラン、小料理屋、バール…、などなど、
飲食店を舞台にした、軽めのミステリーは数多ある。
そこで、披露される謎解きはもちろん、
料理のレシピや蘊蓄、雑学がなかなか興味深い。
この作品も、おいしそうなスイーツが登場し、
その蘊蓄も、楽しい。
ただ、この作品、「難事件カフェ」というタイトルで同じものが、
そして、「難事件カフェ2」と続編も出ているそうで、
タイトルが全く違うというのは…、
間違って買っちゃう人が、結構いるんじゃないかなぁ。
ワタシなら、絶対やりそう。