唯一ノ趣味ガ読書デス

ハードボイルドや刑事モノばっかりですが、読んだ本をご紹介。

柴田よしきさんの「フォー・ユア・プレジャー」を読む。

園の存続のため新宿を走り回るハナちゃん園長。
今回の裏のお仕事はクスリの売人探し。
 
一方で、恋人の理沙が行方不明となり、相変わらず大忙し。
今夜も眠れない園長先生だ。
 
 
一夜をともにした男を探してほしいという依頼。

だが、調べてみると、どうやらその男はクスリの売人らしい。
今回の仕事もだんだん、きな臭くなってくる。

そんな中、愛しき理沙の行方が分からなくなったという、
理沙の妹からの電話。

何者かに拉致された様子。

ハナちゃん、パニック。

マンションの一室に監禁されていることを突き止め
救出に向かったところ、男女の射殺死体を同時に
発見してしまう。

事情があれやこれやこんがらがって、
いつのまにか、警察学校で同期だった男の命を救うため、
射殺犯を突き止めさせられる羽目に。

このシリーズの魅力は一つや二つではない。

園長先生という顔と、ヤバい仕事も請け負う探偵の
二つの顔を持つ設定。

そして、全員といっていいほど、愛おしくて好きになってしまう
登場人物たち。

凶悪、狂暴な経済ヤクザ、山内でさえ愛すべき人物に
見えてくる。

山内の危ない魅力は、別の作品、「聖なる黒夜」で、
たっぷり描かれているので、そちらもおススメだ。


警察学校で同期、今は山内の部下となっている
斎藤の命を救うため、満身創痍で走り回る
展開には泣けてくる。

ともかく、ストーリー展開のスピード感は相変わらず。

一ページ、一行に目が吸いつけられ、結末まで止まらない。
 

 

フォー・ユア・プレジャー (講談社文庫)

フォー・ユア・プレジャー (講談社文庫)