下村敦史さんの「緑の窓口 樹木トラブル解決します」を読む。
この作家さんにしては、少々毛色の違う
ハートフルミステリー。
副題が無いと、鉄道関連かと思うけど。
六話の連作短編で、とても読みやすい。
主人公を務める天野優樹、その先輩の岩浪、
そして、樹木医の柊紅葉。
それぞれが、悪目立ちせず、それでも、
読み進めていくうちに、心の中に棲みつく。
それに、これまで、興味も持たなかった
樹木という分野にちょっとだけ関心が沸き、
得した気分にもなった。
区役所職員の天野は、新設された「緑の窓口」に異動になる。
そこは、樹木関連のトラブルを解決するところだった。
気は弱いが優しい天野、頭の中は樹木のことばかりで、
少々、浮き気味の柊、そして花粉症でスギを目の敵にする岩浪、
この三人が樹木にまつわる謎に向き合う。