三上延さんの「ビブリア古書堂の事件手帖 扉子と不思議な客人たち」を読む。
ビブリア古書堂の事件手帖 ~扉子と不思議な客人たち~ (メディアワークス文庫)
- 作者: 三上延
- 出版社/メーカー: KADOKAWA
- 発売日: 2018/09/22
- メディア: 文庫
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「本は、さまざまな人生を垣間見ることができ、
そして、本自体にも所有者の人生が宿る」。
鎌倉で古書店を営む栞子さんと、夫になった五浦大輔の
新しい物語が始まった、のか?
新たに、栞子さんと大輔の娘も登場した。
今作では、これまでの登場人物とからめて、
本にまつわる過去の話を、栞子さんが、扉子に語って聞かせるという形式。
四つの物語が収められている。
そして、「からたちの花 北原白秋童謡集」、
「雪の断章」(佐々木丸美)、「王様の背中」(内田百閒)の
三冊が紹介されている。
静かな古書店の中を、時がゆっくり流れていくような、
そんな文章と、柔らかな日差しを浴びる栞子さんの
淡いイメージ、それは、今まで通り。
「栞子さんにそっくり」と描写される扉子の印象は、
どちらかというと、母親の篠川智恵子に近いような。
静かな時をかき乱すような、少々、不穏な空気を感じるのは、
穿ちすぎだろうか。