唯一ノ趣味ガ読書デス

ハードボイルドや刑事モノばっかりですが、読んだ本をご紹介。

三上延さんの「ビブリア古書堂の事件手帖 扉子と不思議な客人たち」を読む。

 

 

 

「本は、さまざまな人生を垣間見ることができ、

そして、本自体にも所有者の人生が宿る」。

 

鎌倉で古書店を営む栞子さんと、夫になった五浦大輔の

新しい物語が始まった、のか?

 

新たに、栞子さんと大輔の娘も登場した。

 

今作では、これまでの登場人物とからめて、

本にまつわる過去の話を、栞子さんが、扉子に語って聞かせるという形式。

 

四つの物語が収められている。

 

そして、「からたちの花 北原白秋童謡集」、

「雪の断章」(佐々木丸美)、「王様の背中」(内田百閒)の

三冊が紹介されている。

 

 

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静かな古書店の中を、時がゆっくり流れていくような、

そんな文章と、柔らかな日差しを浴びる栞子さんの

淡いイメージ、それは、今まで通り。

 

「栞子さんにそっくり」と描写される扉子の印象は、

どちらかというと、母親の篠川智恵子に近いような。

 

静かな時をかき乱すような、少々、不穏な空気を感じるのは、

穿ちすぎだろうか。