生真面目な薬剤師、毒島さんシリーズ。今回は、コロナのお話も…。塔山郁さんの「毒をもって毒を制す 薬剤師・毒島花織の名推理」を読む。
生真面目すぎるほど生真面目、だが、優しさが垣間見える
薬剤師、毒島さんシリーズの三作目。
ちょっと前に、病院薬剤師が主人公のドラマをやってたっけ。
病院に勤務する薬剤師さんだから、相手は入院患者。
治療はできなくても、薬を通して、患者に寄り添い、
さらに、陰から治療法を導いていく。
結構、ドラマになるものだなと、視ていた。
毒島さんの場合は、街の薬局の薬剤師さんで、
処方箋を持ってあちこちから集まる人々が相手。
直に言葉を交わし、そのやり取りから、物事の真実を引っ張り出す。
今回は、アルコール依存症の話、何軒もの病院の
処方箋を持って、毒島さんに会いに来るシングルマザーの話、
そして、水尾クンの勤務するホテルで、新型コロナ感染発生?と、
軽いタッチでありながら、考えさせられる面もあり、
今回も、あれよという間に読み終えた。
この作品の前に、太田愛さんの「修司、鑓水、相馬」シリーズ三冊を
ぶっ通しで読み、ずーっと、ハラハラ、ドキドキしっぱなしだったので、
毒島さんシリーズの優しいタッチが、ちょうど良い、休憩になった。
それにしても、水尾クンと毒島さんの関係は、なかなか発展しないなぁ。