光本正記さんの「紅葉駅前自殺センター」を読む。
息苦しい物語ではあるが、
なぜか、ページのその先が見たく、
いつしか、結末までたどり着いてしまった。
不思議な感覚の小説。
一歳の息子は通り魔に惨殺され、
妻とも別れ、絶望の中で日々を過ごす主人公、土井洋介は、
生きることをこれ以上受け入れ難くなり、
ある日、ようやく自殺を決意、
「紅葉駅前自殺センター」に予約を入れる。
このセンターは、ある事件をきっかけに設立された。
その頃、街は、連続切断魔におびえていた。
切断魔は被害者を殺した後に、その体の一部を遺族に送り付けるという。
一方、土井は、「その日」が来るまで、
人に会い、身辺を整理し、淡々と送る。
だが、ある事実を知り、土井の中に少しずつだが
変化が現れる…。
この作家さん、2014年3月に35歳で亡くなったそう。
他の作品も読んでみたかったが、残念。