セブンと東、彼らの行く末は…。誉田哲也さんの「ノワール 硝子の太陽」を読む。
この作家さんの、人気シリーズのキャラが
集結した、という感じで、得した気分になる。
物語は、新宿セブン、そして、「ジウ」シリーズの東が
中心となって進んでいくが、「姫川」シリーズの
姫川玲子、そして「ガンテツ」こと、勝俣の
(ほんの、顔出し程度だが)登場は、
誉田哲也ファンにとって思いがけないプレゼントのようなものだ。
そして、「仕事人」たちと刑事である東。
敵対する関係でありながら、共闘する今作からは、
立場として、お互いを完全に「理解」することなどないのだろうが、
「情」が通い合うこともあるのではないか、
そんなことを期待させる作品だった。
対になって発刊された「ルージュ」と「ノワール」、
「ルージュ」だけ、かなり前に読んだので、
もう一度、読み返してみるのもいい。
沖縄の基地移転問題を絡ませてはいるが、
仲間を殺した殺人者を追い詰め、そして、仕事にかける。
結末では、NWOの影が見え隠れし、
決着もついていないようなので、
さらに、物語は進展していくのだろうか、
と思いきや、最新刊「歌舞伎町ゲノム」は短編集であり、
「ノワール」とは関連がなく、
さらには、東が新宿署から異動になったりで、
少々、肩透かしを食わされた感じだった。