相も変わらず、温かで、明るい堀田家でした…。小路幸也さんの「イエロー・サブマリン 東京バンドワゴン」を読む。
お馴染みの堀田家の物語も、もう十五作目。
いつもながらの、堀田家の春夏秋冬が描かれる。
ちょっとした、事件とも呼べないことが起こり、
堀田家の面々の、思いやりで、収まっていくのも、いつも通り。
でも、研人が高校を卒業したり、芽莉衣と結婚したり、
花陽に恋人ができたり…、時は確実に流れ、
皆、大きくなったねと、近所のオバサンのような目線になる。
いつも通り。それが、本当に大切であることを、
教えてくれる。
変わらぬ温かさも、悪意のかけらも見当たらないことも。
たまには、堀田家の土台を揺るがすようなことは起こらないかな、
なんて、思いもするのだが、
悪意だらけの現実社会から、しばし、抜け出して、
「東京バンドワゴン」で、古本の香りをかいだり、
サチさんのおしゃべりを聞いたりするのが、救いになるのかもしれない。
ただ、今回は、我南人の活躍の場が、そして、
決めぜりふ、「Loveだねぇ~」が少なかったような。
我南人ファンとしては、それが、少々、残念だ。