唯一ノ趣味ガ読書デス

ハードボイルドや刑事モノばっかりですが、読んだ本をご紹介。

相も変わらず、温かで、明るい堀田家でした…。小路幸也さんの「イエロー・サブマリン 東京バンドワゴン」を読む。

 

イエロー・サブマリン 東京バンドワゴン

イエロー・サブマリン 東京バンドワゴン

  • 作者:小路 幸也
  • 発売日: 2020/04/24
  • メディア: 単行本
 

 

 

お馴染みの堀田家の物語も、もう十五作目。

いつもながらの、堀田家の春夏秋冬が描かれる。

 

ちょっとした、事件とも呼べないことが起こり、

堀田家の面々の、思いやりで、収まっていくのも、いつも通り。

 

でも、研人が高校を卒業したり、芽莉衣と結婚したり、

花陽に恋人ができたり…、時は確実に流れ、

皆、大きくなったねと、近所のオバサンのような目線になる。

 

いつも通り。それが、本当に大切であることを、

教えてくれる。

変わらぬ温かさも、悪意のかけらも見当たらないことも。

 

たまには、堀田家の土台を揺るがすようなことは起こらないかな、

なんて、思いもするのだが、

悪意だらけの現実社会から、しばし、抜け出して、

「東京バンドワゴン」で、古本の香りをかいだり、

サチさんのおしゃべりを聞いたりするのが、救いになるのかもしれない。

 

ただ、今回は、我南人の活躍の場が、そして、

決めぜりふ、「Loveだねぇ~」が少なかったような。

我南人ファンとしては、それが、少々、残念だ。