刑事指導官時代の風間。新米刑事を震え上がらせる雰囲気は相変わらず。そして、物語は、警察学校へと…。長岡弘樹さんの「教場X 刑事指導官・風間公親」を読む。
お馴染み、「風間公親」シリーズの刑事指導官時代の物語。
全六話の短編が収録されている。
新米刑事が送り込まれるのは、風間がみっちりと刑事の
イロハを教え込む「風間道場」。
前作、「教場0」の続編のようなものか。
この作品も、犯人が初めから判明している倒叙法で描かれている。
新米刑事が洞察を働かせ、どう、真犯人に迫るのか。
そして、それを風間がどう、導くのか。
「交番勤務か、警察学校に逆戻りするか」、
風間道場門下生は、風間の無言の圧に、常にさらされる。
六話目は、少々、変化球。
現場に呼ばれるのは、新米刑事ではなく、かつての教え子。
風間の目を傷つけた「千枚通しの男」が、絡んでくるのだが、
教え子は、風間が負傷した現場に居合わせた女刑事だった。
その彼女に対する風間の想いが温かい。
そして、鬼教官、風間の誕生へ…。