何と、「博物館」から一歩外へ。館長の緋色冴子、関係者からの聞き取りがうまくできるのか?大山誠一郎さんの「記憶の中の誘拐 赤い博物館」を読む。
「赤い博物館」シリーズの二作目。
未解決事件の捜査資料を読んだだけで、
真相を解明してしまう緋色冴子。
二作目の今回、少々、違うのは、
完全なる安楽椅子探偵で、
「博物館」から一歩も外へ出ずにいた緋色が、
寺田の聞き取り調査に同行するところ。
コミュニケーションに難ありの緋色が、
関係者と、一言二言でも、言葉を交わそうとするシチュエーションだ。
トリック解明に終始するのは、前作と同じ。
これに、動機だの、人間関係だのが加わってしまうと、
ひょっとしたら、緋色本来の魅力が削がれる、のかもしれない。