唯一ノ趣味ガ読書デス

ハードボイルドや刑事モノばっかりですが、読んだ本をご紹介。

柴田よしきさんの「青光の街(ブルーライト・タウン)」を読む。

ブルーライト探偵社本営業所の所長、草壁ユナは

雇われ所長である。

 

本業は作家。

 

この探偵社の所長だった高橋信三は、かつて草壁の担当編集者だった。

アレコレあって、高橋は出版社勤めを辞め、

探偵社を立ち上げた。

 

草壁は、体を壊した高橋から自分の後釜として所長の椅子に座るよう頼まれる。

本業を続けながら、という条件でその頼みを引き受け、

「お飾り」で「ド素人」の探偵社所長が誕生した。

 

雇われ所長の探偵社でも、優秀なスタッフばかりのようで、

キャラ的にもなかなか魅力的だ。

 

草壁の過去は、途中で、ざっと語られる。

 

乳児の頃にアメリカの養護施設に保護され、

二歳になる前に、日系人夫婦の養子になる。

養父母は強盗に殺され、生き残った草壁は、

広島にいた養父母の祖母に引き取られる。

 

大人になればなったで、

二回の結婚で、どちらの夫も事故で失う。

あとあと明らかになるのだが、

最初の夫は、不倫の末の自殺のような事故死だったらしい。

ただし、遺体は上がっていないため、謎が残る。

 

なんと、ヘビーな過去を持つ女性か。

 

とはいえ、この過去は、今回の物語に直接かかわっては

こないのだが。

 

さて、物語は、連続殺人で幕を開ける。

OL、出版社社員、女子中学生、

それぞれ殺害方法は違うが、遺体のそばには、

クリスマスツリーに飾る青い電飾が数本残されていた。

 

一方、草壁の元に、友人の秋子から、

「助けて」という件名だけのメールが届く。

 

秋子は、草壁と旅行にいくと言って家を出たままだということがわかる。

 

さらに、婚約者の身辺を探ってほしいという女性の依頼を受けるが、

調査を進めるうちに、その婚約者は車の暴走事故に

巻き込まれ、命を落としてしまう。その現場には、

またまた青い電飾が…。

 

幾つもの事件が折り重なり、謎は絡み合い、

物語は、スピードを落とさず結末まで突っ走る。

 

本の帯には、「草壁ユナ、最初の事件」とあるから、

続編がある?

 

 

青光の街(ブルーライト・タウン) (ハヤカワ・ミステリワールド)

青光の街(ブルーライト・タウン) (ハヤカワ・ミステリワールド)