相変わらず、女刑事はタフで、強い…。大沢在昌さんの「撃つ薔薇 AD2023 涼子」を読む。
女刑事、櫟涼子が活躍する近未来ハードボイルド。
(未来っていっても、あと、4年だ…)
この作家さんの作品で、女刑事が主人公のものはポツポツだが、ある。
「天使」シリーズも、そして最近の「帰去来」もそうだ。
また、退職したが、「冬芽の人」。
主人公ではないが、「砂の狩人」にも登場する。
魅力的なキャラばかり、と言いたいところだが、
今作の涼子は、それほど心が引き寄せられなかった。
もちろん、タフで根性が座っていて、強くて…、なのだが、
他の作品に比べ、それほどキャラがたっているとは思えない。
過去に大きな傷を負っているらしく、
影もあるのだが、それほど深く描かれているわけではない。
涼子の叔父との関係も、妙に思わせぶりで、
続きがあるのかしら、と思ってしまう。
とはいえ、アクションも、展開も、
相変わらずスリリングで、ワタシのツッコミなど、取るに足りないものだ。