唯一ノ趣味ガ読書デス

ハードボイルドや刑事モノばっかりですが、読んだ本をご紹介。

「向かない」と言いながら、今や、刑事そのもの。椎名真帆シリーズの三作目。山邑圭さんの「刑事に向かない女 黙認捜査」を読む。

 

刑事に向かない女 黙認捜査 (角川文庫)

刑事に向かない女 黙認捜査 (角川文庫)

  • 作者:山邑 圭
  • 発売日: 2020/08/25
  • メディア: Kindle版
 

 

 

本当は、事務職に就きたかったのだが、

間違って刑事になってしまったオンナ、

椎名真帆巡査シリーズの三作目。

 

始めは、「いつだって辞めてやる」とグチっていた真帆だが、

今作では、そのグチが聞かれなかったなぁと、

読み終わって気づいた。

 

いつの間にか、ホンモノの刑事になったんだな、と。

 

スリリングな展開もあり、コンビを組む吾妻との、

つかず離れずの関係性も面白い。

 

解体中のビルで男性の首つり死体が発見された。

その男性は元警察官で、強制わいせつで服役し、

出所したばかりだった。

 

自殺で片付きそうだったが、

真帆は、現場にいくつかの違和感を持つ。

 

他殺を疑う真帆は、新藤班長のサポートを受け、

調べ始める。

 

ちょうどその頃、捜査一課の芦川は、

ある人物の内偵を副総監から命じられていた。

 

真帆の捜査と芦川の内偵という二つの点が、

一本の線で結ばれていく…。

 

自分の嗅覚を信じ、ひたすら事件を追う真帆の姿は、刑事そのものだ。

 

頑固なやり方は、敵を多く作りそうなのだが、

周りのオジサンたちは、温かい。

 

だからこそ、突っ走る真帆を、安心してみていられる。

 

このシリーズも、ますます安定感を増し、

続編が楽しみになる。