大山淳子さんの「光二郎分解日記 西郷さんの犬」を読む。
「相棒は浪人生」に続く、「光二郎分解日記」シリーズの2作目。
大山淳子さんは、解決まで時間がかかりイライラするミステリーを
「イラミス」と呼んでいる。
イライラするのは光二郎さんの言動ではない。前作を読んで、
光二郎さんはブレない人だとわかったから。
今回は、むしろ、孫のかける。
あれ、前作のかけるは、こんなにポンコツだったっけ。
ポンコツなのだが憎み切れない。やっぱり、「いい子だ」と思わされる、
そこがイライラするのだ。
さて、今作では、「おぼっちゃま」刑事の頭野の素性が明かされる。
このシリーズのゆるやかな雰囲気に、どこか剣呑な空気が入り込む。
上野の西郷さんの銅像から、愛犬の姿が消えた。
像を盗んだ犯人とは、そしてその目的とは…。