大崎梢さんの「よっつ屋根の下」を読む。
家族の再生物語ともいえる作品。
大崎梢さんの作品は結末が温かく、「そうだよね」と
納得させられる読後感。
そういう意味では、この作品にも裏切られない。
大きな障害に翻弄された後の家族の在り方を
考えさせられる。
父の転勤で、普通に暮らしていた家族が分断される。
父は、勤め先の病院の不正を批判したため、地方に飛ばされたのだった。
そんな父を見捨てられず、ついていった「ぼく」。
実家に縛られ、東京に残った「母」、そして「父」と「ぼくの妹」。
それぞれの視点で物語は進む。
ひとりひとりの成長が家族を、これまでとは違う形に作っていく。