田村和大さんの「筋読み」を読む。
天才的な筋読みから「ヨミヅナ」という称号をもらっている
警視庁捜査一課刑事、飯綱。
残念なのは、その天才ぶりになかなか出会えない、
そんなイライラ感があったような。
主役としてのキャラも少々あいまいで、
もっと際立っていてほしかった。
結末になって、やっと「ザ・刑事」が発揮されたという
感じがした。
どちらかというと、たまに顔出しする現場鑑識係長の桜井の
うざったいキャラに興味が沸いた。
遺伝子組換え、遺伝子編集、クローンといった
テーマも、それはそれで興味深いが、
捜一の刑事が扱う殺人事件との絡みに違和感は残る。
女性モデル殺害で、山下という男が容疑者として
浮上する。
現場から採取されたDNAが山下のものと一致し、
逮捕されるが、彼は黙秘を続ける。
飯綱は、供述を得られないままの起訴に反対意見を唱えた。
だが、捜査本部から外されてしまう。
そのころ、少年が事故にあい、
そのまま拉致されるという事件が起こった。
担当となった飯綱の捜査で少年は保護されたが、
その少年と山下のDNAはまったく同じものだという
報告が入る…。
【2018年・第16回「このミステリーがすごい! 大賞」優秀賞受賞作】 筋読み (宝島社文庫 「このミス」大賞シリーズ)
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