東京駅の仲間たちに支えられながら、警察官の卵、ケッペーは少しずつ、成長してます…。内藤了さんの「PUZZLE 東京おもてうら交番」を読む。
またもや、猟奇的事件の発生。
堀北恵平シリーズの三作目。
老人が盗んだスーツケースの中から、男性の胴体が見つかる。
事件はここから始まる。
さらに、バラバラにされた頭部や手首が発見されるが、
手首は白骨化しており、別人のものと判明した。
手首は、誰のものなのか。
バラバラ遺体の身元が判明するとともに、
浮かび上がる被害者のおぞましい行為…。
そして、今回も、ケッペーと平野は行きつけました。
「東京うら交番」に。
だが、結末に、「東京うら交番」に関する衝撃的な事実が提示される。
このシリーズは、箱詰めの死体、一部が切り取られる遺体、
そしてバラバラ殺人と、おどろおどろしい事件が続き、
人の悪意に覆われているような空気を醸し出すのだが、
ケッペーの素直で、明るくて、頑張り屋のキャラのせいか、
悪意の空気に絡めとられるあと一歩のところで、救われる気がする。
さらに、シリーズを通して登場する、
くつみがきのベテラン、ペイさんや、老舗和菓子屋の
大女将でありながらホームレスでもあるメリーさん、
ホームレス仲間の徳さん、焼き鳥屋のダミさん…。
彼らはまるで一つのチームのように、陰からケッペーを
支えている。
そんな温かい繋がりも、やはり、事件の陰惨さを中和してくれるのだろう。
次作が、待ち遠しい…。