鬼と陰陽師のコンビ、ひとまず完結、次回は、いよいよ新シリーズへ。田中啓文さんの「オニマル 異界犯罪捜査斑 鬼刑事VS殺人鬼」を読む。
オニマルシリーズの三作目、そして、とりあえずの完結だそうだが、
新シリーズへの導入でもある。
陰陽師と鬼のコンビという、ぶっとび設定で、
初めは、それほどそそられなかった。
だが、この作家さんの別の作品、「永見緋太郎」シリーズが大好きで、
その流れで読んでいるうち、登場人物のさまざまなキャラに
惹かれ始めている。
今回は、オニマルも歯が立たなかった最凶の敵を、
陰陽師であるベニーが退治してしまうのは…。
ベニーにおいしいところを持っていかれたような。
オニマルが、少々情けないまま、終わってしまうのが、ちょっと…。
ただ、一話目、「鵺の啼く夜」は、
この作家さんならではの、ジャズやR&B、ブルースに
まつわる物語で、嬉しいと同時に、
「永見緋太郎」シリーズがなつかしくなった。
アレこそ、新シリーズ、始まらないかなぁ。
都内で、頭蓋骨が「ぶちゃっ」と潰された死体が
次々に見つかる。
被害者同士に接点が見つからないまま、
また、ある家族が、親戚もろとも、同じような
殺され方をした。
誰が、何のために。
その異常な殺人手口は、果たして人間によるものか。
オニマルは、同族の仕業ではないかと疑い始める…。