町おこしのきっかけは「コルセット」。頑固だが、魅力たっぷりの老人たち、若者が革命を起こす。川瀬七緒さんの「革命テーラー」を読む。
登場人物の全員のキャラの濃いこと。
だからと言って、濃すぎて、ゲップということではない。
不満だらけの日々をやり過ごしている、主人公の僕、アクア。
つぶれかけた商店街の仕立て屋で、革命を狙う老人テーラーの伊三郎。
スチームパンクに凝り固まった、アクアの学校仲間、明日香。
商店街のおばあちゃん店主たち、などなど。
この作家さんが作り出すキャラの面白さは折り紙付きだが、
まあ、次から次へと登場させたなぁ、と。
閉塞した小さな町社会で、何とか息継ぎしようとしている若者、老人。
誰もが覚える息苦しさから、伊三郎がショーウインドウに飾った
コルセットをきっかけに、自分の力で浮かび上がっていく登場人物たち。
読み終えてみれば、爽やかな風が吹いていた。