唯一ノ趣味ガ読書デス

ハードボイルドや刑事モノばっかりですが、読んだ本をご紹介。

町おこしのきっかけは「コルセット」。頑固だが、魅力たっぷりの老人たち、若者が革命を起こす。川瀬七緒さんの「革命テーラー」を読む。

 

革命テーラー (角川文庫)

革命テーラー (角川文庫)

  • 作者:川瀬 七緒
  • 発売日: 2020/10/23
  • メディア: 文庫
 

 

 

登場人物の全員のキャラの濃いこと。

だからと言って、濃すぎて、ゲップということではない。

 

不満だらけの日々をやり過ごしている、主人公の僕、アクア。

つぶれかけた商店街の仕立て屋で、革命を狙う老人テーラーの伊三郎。

スチームパンクに凝り固まった、アクアの学校仲間、明日香。

商店街のおばあちゃん店主たち、などなど。

 

この作家さんが作り出すキャラの面白さは折り紙付きだが、

まあ、次から次へと登場させたなぁ、と。

 

閉塞した小さな町社会で、何とか息継ぎしようとしている若者、老人。

誰もが覚える息苦しさから、伊三郎がショーウインドウに飾った

コルセットをきっかけに、自分の力で浮かび上がっていく登場人物たち。

 

読み終えてみれば、爽やかな風が吹いていた。