絶望していく子どもの物語、読み進めるにつれ、辛さが増す。だが、現実は、もっと残酷。天祢涼さんの「希望が死んだ夜に」「あの子の殺人計画」を読む。
子どもたちが絶望し、死を選ぼうとする社会は、絶対変だと、
誰しも思ってはいるが。
現実の社会で、連日のように、小さい子の虐待死が報道され、
無くなることはない。
そういう実際の事件があまりにも惨すぎて、
子どもが不幸になる物語は、もう、いいよ、と、
目を背けたくもなる。
フィクションは、どこかで救いを持たせられるかもしれないが、
現実は、貧困も、虐待も、もっと残酷なんだろう。
自分も、裕福ではなかったが、
破綻しないで、何とか、子育てを終えられたのは、
ラッキーとしか言いようがない。
つつがなく子どもが成長していける社会が
「ラッキー」ではなく、「普通」である時代は、
やってくるのだろうか。
この二作を最後まで読めたのは、
二人の刑事が、いてくれたおかげか。
仲田の存在が、希望、になってくれればいいが。