刑事たちの地道な捜査が始まる。女子大生の殺人事件が冤罪事件へ、そして少女たちの闇が…。穂高和季さんの「警視庁殺人犯捜査第五係 少女たちの戒律」を読む。
正統派の刑事の物語といった感じ。
警視庁殺人犯捜査第五係の辻岡警部補を中心として、
ストーリーは展開する。
「筋読みの天才」でもなく、強運の持ち主でもなさそうで、
コツコツ取り組み、取り組んだ分だけ、素直に、
物語は進んでいったような。
大ドンデン返し、というほどではなかったが、
そう来たか、と、いい意味での、裏切りで、
心がざわついた。
仲間とのやり取りは円滑で、
他県の県警とのもめごとはあるが、
仲間内での変な軋轢が無いだけ、いらいらしない。
女子大生殺人事件が、六年前の岐阜県の
冤罪事件に繋がり、その発端となった
女子中学生殺人事件に関係した少女たちの闇が浮かび上がる。
そして、新たな真相が見えてくる。