唯一ノ趣味ガ読書デス

ハードボイルドや刑事モノばっかりですが、読んだ本をご紹介。

2019-01-01から1年間の記事一覧

単純に、面白がれる…。今村昌弘さんの「屍人荘の殺人」を読む。

屍人荘の殺人 作者: 今村昌弘 出版社/メーカー: 東京創元社 発売日: 2017/10/12 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (25件) を見る 夏の合宿、館、雪の山荘、そして誰もいなくなった…。 そんな王道のミステリー、かと思いきや、 早々に「ゾンビ」が登場…

目の見えない恐怖と、真実に向かい合う恐怖…。下村敦史さんの「闇に香る嘘」を読む。

闇に香る嘘 (講談社文庫) 作者: 下村敦史 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2016/08/11 メディア: 文庫 この商品を含むブログ (4件) を見る この作家さんは、「緑の窓口~樹木トラブル解決します~」から入った。 どちらかというと、ハートフルミステリーだ…

これは、愛と再生の物語だと…。横山秀夫さんの「ノースライト」を読む。

ノースライト 作者: 横山秀夫 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 2019/02/22 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る この作品は、大切な人への、朋友への、 仕事への、愛の物語であり、再生の物語だと感じた。 そして、一家消失という謎を追う、 正真…

サクサクっと読めるのは…。知念実希人さんの「甦る殺人者 天久鷹央の事件カルテ」を読む。

甦る殺人者: 天久鷹央の事件カルテ (新潮文庫nex) 作者: 知念実希人 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 2017/10/28 メディア: 文庫 この商品を含むブログ (4件) を見る 天才女医の天久が難事件を解決する 「天久鷹央」シリーズの八作目、だそうだ。 ワタシ…

警察小説かと思ったワタシが…。真梨幸子さんの「ツキマトウ 警視庁ストーカー対策室ゼロ係」を読む。

ツキマトウ 警視庁ストーカー対策室ゼロ係 作者: 真梨幸子 出版社/メーカー: KADOKAWA 発売日: 2018/07/27 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (1件) を見る イヤミスは避けてきた、いや、避けている。 せっかくエンタメ作品を読むなら、 最後のページを…

ヒリヒリ感が今一つ…。麻見和史さんの「擬態の殻」を読む。

擬態の殻 刑事・一條聡士 (朝日文庫) 作者: 麻見和史 出版社/メーカー: 朝日新聞出版 発売日: 2019/02/07 メディア: 文庫 この商品を含むブログを見る 警視庁捜査一課の刑事、一條聡士の物語。 同じ作家さんのシリーズ、「警視庁殺人分析斑」の初期の作品の…

大量の蛆と、今回の新顔は「小黒蚊」。川瀬七緒さんの「スワロウテイルの消失点 法医昆虫学捜査官」を読む。

スワロウテイルの消失点 法医昆虫学捜査官 作者: 川瀬七緒 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2019/07/24 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る 事件はいつも通り、しっかり腐敗した死体と、 大量の蛆、というパンチのきいた場面から始まる。 特に、…

囲碁のシロートでも、楽しめます…。水原秀策さんの「黒と白の殺意」を読む。

黒と白の殺意 (宝島社文庫) 作者: 水原秀策 出版社/メーカー: 宝島社 発売日: 2008/12/05 メディア: 文庫 クリック: 3回 この商品を含むブログ (2件) を見る 文章に、少しばかりのユーモアが感じられる。 といっても、決して、軽いユーモアミステリーではな…

監察の活躍をもっと見たかった、ような…。濱嘉之さんの「ヒトイチ 画像解析」を読む。

ヒトイチ 画像解析 警視庁人事一課監察係 (講談社文庫) 作者: 濱嘉之 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2015/11/13 メディア: 文庫 この商品を含むブログを見る 警視庁警務部人事一課、通称「ヒトイチ」の物語。 強姦殺人犯を追い詰めていた、本庁捜査一課の…

とても、とても悲しい事件が起こってしまった…。吉永南央さんの「黄色い実」(紅雲町シリーズ)を読む。

黄色い実 紅雲町珈琲屋こよみ 作者: 吉永南央 出版社/メーカー: 文藝春秋 発売日: 2019/06/20 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る 「紅雲町」シリーズも、もう七作目。 お草さんを始め、小蔵屋を取り巻く人々とも、 同じ町内のお隣さんのような、…

たくさんの殺人と、犯罪者がいっぱい…。長浦京さんの「マーダーズ」を読む。

マーダーズ 作者: 長浦京 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2019/01/24 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る タイトル通り、たくさんの殺人と、多くの犯罪者がいる。 前作、「リボルバー・リリー」に匹敵するスリリングな展開で、 楽しめた。 商社…

困った死体、というより、困ったちゃんチーム? 浅暮三文さんの「困った死体」を読む。

困った死体 (集英社文庫) 作者: 浅暮三文 出版社/メーカー: 集英社 発売日: 2018/12/18 メディア: 文庫 この商品を含むブログ (2件) を見る 登場人物たちのキャラの濃さで、押し切られそうな感じだった。 四編を収めた連作モノ。 断食中に食中毒死した教団の…

「歌舞伎町セブン」シリーズの短編集。誉田哲也さんの「歌舞伎町ゲノム」を読む。

歌舞伎町ゲノム 作者: 誉田哲也 出版社/メーカー: 中央公論新社 発売日: 2019/01/18 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る 現代版「必殺」、「歌舞伎町セブン」シリーズの短編集。 五編が収められている。 短編構成のためか、前の作品で感じたヒリヒ…

冷厳だが、温かみのある教官の目が、彼らを救う…。

教場 (小学館文庫) 作者: 長岡弘樹 出版社/メーカー: 小学館 発売日: 2015/12/08 メディア: 文庫 この商品を含むブログ (5件) を見る いつも思うが、実に、短編の名手である。 登場人物はそれほど多くないが、濃密な人間関係を 感じさせる。 警察学校という…

三上延さんの「ビブリア古書堂の事件手帖 扉子と不思議な客人たち」を読む。

ビブリア古書堂の事件手帖 ~扉子と不思議な客人たち~ (メディアワークス文庫) 作者: 三上延 出版社/メーカー: KADOKAWA 発売日: 2018/09/22 メディア: 文庫 この商品を含むブログ (8件) を見る 「本は、さまざまな人生を垣間見ることができ、 そして、本自体…

佐藤青南さんの「ヴィジュアル・クリフ」を読む。

ヴィジュアル・クリフ 行動心理捜査官・楯岡絵麻 (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ) 作者: 佐藤青南 出版社/メーカー: 宝島社 発売日: 2018/04/21 メディア: 文庫 この商品を含むブログを見る エンマ様こと、楯岡絵麻シリーズの6作目。 行動心理学を応…

中山七里さんの「能面検事」を読む。

能面検事 作者: 中山七里 出版社/メーカー: 光文社 発売日: 2018/07/19 メディア: 単行本(ソフトカバー) この商品を含むブログ (3件) を見る 一ミリたりとも表情筋が動かない、感情を表出することはない、 上司だろうが、そのまた、上だろうが、 どんな相…

香納諒一さんの「新宿花園裏交番 坂下巡査」を読む。

新宿花園裏交番 坂下巡査 作者: 香納諒一 出版社/メーカー: 祥伝社 発売日: 2019/03/12 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る 新宿花園神社の裏にある交番、通称「花園裏交番」に勤務する 坂下巡査、二十七歳の四季が描かれる。 場所が場所だけに、…

大倉崇裕さんの「白虹」を読む。

白虹(はっこう) (PHP文芸文庫) 作者: 大倉崇裕 出版社/メーカー: PHP研究所 発売日: 2014/07/09 メディア: 文庫 この商品を含むブログを見る この作家さんのシリーズものでは、 「福家警部補」や「警視庁いきもの係」、「問題物件」シリーズが 好物だ。 この…

呉勝浩さんの「マトリョーシカ・ブラッド」を読む。

マトリョーシカ・ブラッド (文芸書) 作者: 呉勝浩 出版社/メーカー: 徳間書店 発売日: 2018/07/21 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る クセの強すぎる刑事が、ワンサカ登場してきて、ゾクゾクする。 その一人一人が、組織の闇に押しつぶされそうに…

大沢在昌さんの「極悪専用」を読む。

極悪専用 (文春文庫) 作者: 大沢在昌 出版社/メーカー: 文藝春秋 発売日: 2018/06/08 メディア: 文庫 この商品を含むブログ (1件) を見る 賃料の月額が百万、部屋によっては数千万という途方もない高級マンション、 なのだが、住民はすべて、闇社会の悪党ば…

大倉崇裕さんの「アロワナを愛した容疑者」を読む。

アロワナを愛した容疑者 警視庁いきもの係 作者: 大倉崇裕 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2019/06/13 メディア: 単行本(ソフトカバー) この商品を含むブログを見る 読み始めてそうそう、ビックリした。 この作家さんの人気シリーズの主人公、 福家警部…

原寮さんの「それまでの明日」を読む。

それまでの明日 作者: 原りょう 出版社/メーカー: 早川書房 発売日: 2018/02/28 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (15件) を見る 1988年、沢崎が初めて登場した「そして夜は甦る」からはや三十年。 その間、沢崎シリーズは、今作を含め六作。 なんと、…

丈武琉さんの「セオイ」を読む。

セオイ (ハヤカワ文庫JA) 作者: 丈武琉 出版社/メーカー: 早川書房 発売日: 2013/10/10 メディア: 文庫 この商品を含むブログを見る 「セオイ」、これは謎の伝承の技なのだという。 他人の人格に一時的に入り込み、その人生を修正するという、 って、この解…

葉真中顕さんの「絶叫」を読む。

絶叫 (光文社文庫) 作者: 葉真中顕 出版社/メーカー: 光文社 発売日: 2017/03/09 メディア: 文庫 この商品を含むブログ (1件) を見る 「転落していく人生」、 サスペンスやミステリーのネタとしては、 ありがちな設定だと、思った。 そう思いながら、反対に…

榎本憲男さんの「ワルキューレ 巡査長 真行寺弘道」を読む。

ワルキューレ-巡査長 真行寺弘道 (中公文庫) 作者: 榎本憲男 出版社/メーカー: 中央公論新社 発売日: 2019/04/23 メディア: 文庫 この商品を含むブログを見る 「巡査長」シリーズ、主人公が異端なら、 物語の展開も異色だ。 いつも、事件の核が大きすぎて、 …

柚月裕子さんの「盤上の向日葵」を読む。

盤上の向日葵 作者: 柚月裕子 出版社/メーカー: 中央公論新社 発売日: 2017/08/18 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (8件) を見る 後半まで被害者の身元は明かされない。 誰を、誰が殺したのか。 山中から発見された白骨死体。 死体と共に、高価な将棋…

大山誠一郎さんの「アルファベット・パズラーズ」を読む。

アルファベット・パズラーズ (創元推理文庫) 作者: 大山誠一郎 出版社/メーカー: 東京創元社 発売日: 2013/06/29 メディア: 文庫 この商品を含むブログ (6件) を見る いわゆる、安楽椅子探偵モノだろうか。 三鷹市の同じマンションに住む警視庁捜一の刑事、…

小路幸也さんの「アンド・アイ・ラブ・ハー」を読む。

アンド・アイ・ラブ・ハー 東京バンドワゴン (集英社文芸単行本) 作者: 小路幸也 出版社/メーカー: 集英社 発売日: 2019/05/31 メディア: Kindle版 この商品を含むブログを見る 「東京バンドワゴン」シリーズも14作目だとか。 このシリーズを読んでいると、 …

榎本憲男さんの「巡査長 ブルーロータス」を読む。

ブルーロータス-巡査長 真行寺弘道 (中公文庫) 作者: 榎本憲男 出版社/メーカー: 中央公論新社 発売日: 2018/09/21 メディア: 文庫 この商品を含むブログを見る 異端の警察官、巡査長・真行寺の活躍が再びみられる。 この「巡査長」は全くと言っていいほど自…