わたしのいないテーブルで: デフ・ヴォイス 作者:丸山 正樹 東京創元社 Amazon コロナ禍で、社会は大きく変わってしまった。 世界全体が影響を受けたため、その一つひとつ、 一人ひとりに、どんな変化があったのか、知りようもない。 障害者の生活も、大きな…
隠温羅 よろず建物因縁帳 【電子特典付き】 (講談社タイガ) 作者:内藤了 講談社 Amazon とうとう、完結してしまった…。 「隠温羅流の導師は、四十二歳で死ぬ」という因縁を断ち切るための 隠温羅流の謎を解き明かす旅は、いよいよ終盤を迎えた。 この旅が始…
彼女が最後に見たものは (小学館文庫) 作者:まさきとしか 小学館 Amazon 前作に続き、変人刑事、三ツ矢と若手、田所のコンビ。 事件に取り組む三ツ矢は言う。 「知りたいと思いませんか?」と。 「知らなくてもいい真実」というセリフがある。 事件に関わっ…
夏至のウルフ (小学館文庫) 作者:柏木伸介 小学館 Amazon 本の帯に、「ピンク映画館から出勤する破滅刑事。」とあったが。 「ピンク映画館から出勤」に興味は引かれたが、 「破滅刑事」という、暗いイメージはなかった。 どちらかというと、有能でまともな刑…
あの日、君は何をした (小学館文庫) 作者:まさきとしか 小学館 Amazon 男子中学生の、深夜の事故死。 幸せな生活を送っていたと思っていた母親は、 その息子の死から、壊れていく。 そこまでが第一章で、十五年後に起きた殺人事件へと、 舞台が転換する。 こ…
バスクル新宿 作者:大崎 梢 講談社 Amazon 舞台は、新宿の大規模バスターミナル。 (あそこ、だよね、南口の) 新宿から出ていく人、新宿に向かう人、 バスに乗り合わせた乗客や、ターミナルに居合わせた人々が関わる、 ちょっとした出来事や、事件。 駅や、…
フェイクフィクション (集英社文芸単行本) 作者:誉田哲也 集英社 Amazon 男の首なし死体が見つかる。 のっけから、捜査員の一人、鵜飼が事件に関わっており、 捜査を誘導するような言動を見せ、剣呑な雰囲気が漂う。 首切り、カルト教団、性的奴隷…、 物語は…
虚魚 (角川書店単行本) 作者:新名 智 KADOKAWA Amazon 人が死ぬ怪談を探している怪談師、三咲と、 呪われ、祟られて死にたがっているカナちゃん、そして、 三咲の元恋人、昇との、奇妙な関係。 そもそも、人が死ぬ怪談ばかりを探すことも、 呪われて死にたが…
鬼平犯科帳(一): 1 作者:池波 正太郎 文藝春秋 Amazon 御宿かわせみ (文春文庫) 作者:平岩 弓枝 文藝春秋 Amazon 時代小説を読んでいると、無性に蕎麦が食べたくなる。 よく出てくるんだわ。登場人物が蕎麦屋で蕎麦を食べるシーンが。 また、蕎麦屋を商売…
警視庁アウトサイダー (角川文庫) 作者:加藤 実秋 KADOKAWA Amazon なりすまし刑事と、飛ばされてきた元マル暴担当刑事がコンビを組んで、 それぞれが抱えた過去の因縁に立ち向かう、そんなストーリー。 軽いノリの刑事モノと思いきや、過去の事件も重そうで…
重いストーリーに、どうしても手が伸びないときは、 馴染みあるシリーズものを選んでしまう。 見慣れた登場人物や、ストーリー展開ほど、 安心できるものはない。 裏切られる心配もない。 というわけで、「白バイガール」シリーズの第四作目。 木乃実と川崎…
魔物を抱く女 生活安全課刑事・法然隆三 (新潮文庫) 作者:前川 裕 新潮社 Amazon 人の業の物語、なのか、 それとも、闇を内に抱く特定の人の話なのか。 連続殺人、デリヘル嬢、特異な性癖…、 これだけの材料が揃っているから、さぞや、おどろおどろしく 展開…
操る男 警視庁捜査一課・ヨミヅナ (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ) 作者:田村 和大 宝島社 Amazon 「ヨミヅナ」シリーズの二作目。 筋読みの天才、飯綱警部補が、事件の真相に迫る。 天才的なひらめき、というよりは、どちらかというと、 事実を基に…
慟哭は聴こえない (デフ・ヴォイス) 作者:丸山 正樹 東京創元社 Amazon 「デフ・ヴォイス」シリーズの三冊目。 四編が収録されている。 相変わらず、心に染み入る作品だった。 特に、刑事、何森が登場し、中心となって動く 第三話の「静かな男」が、心に刺さ…
あかんべえ(上) (新潮文庫) 作者:みゆき, 宮部 新潮社 Amazon あかんべえ(下) (新潮文庫) 作者:みゆき, 宮部 新潮社 Amazon 何か、とてつもなく悲しいことが起こったとき、 そこからの逃げ場となるのが、ワタシの場合、小説。 例えば、池波正太郎さん、…
刑事何森 孤高の相貌 作者:丸山 正樹 東京創元社 Amazon 先日まで読んでいた「感染捜査」が動であるとしたら、 こちらは、静。 良くも悪くも、クセの強い刑事が、 何かに引っ張られるように、捜査を進める。 「デフ・ヴォイス」シリーズの脇役だった刑事、何…
感染捜査 作者:吉川 英梨 光文社 Amazon パニック映画、ホラー映画、スプラッター映画、ゾンビ映画を、 丸ごと見ているよう。 スリル、サスペンス、ヒリヒリ感、満載。 主人公である、女刑事、天城由羽のキャラは、 好き嫌いが、はっきり分かれるかもしれな…
開署準備室 巡査長・野路明良(祥伝社文庫) 作者:松嶋智左 祥伝社 Amazon 開署を目前にした姫野警察署。 その準備のため集められた準備室のメンバーの活躍が描かれる。 開署の準備に余念がない準備室だが、 しばらくは、事件が起こるわけでもない。 ただ、所…
蝶が舞ったら、謎のち晴れ―気象予報士・蝶子の推理―(新潮文庫nex) 作者:伊与原 新 新潮社 Amazon 探偵とお天気キャスターのコンビ。 珍しい設定、かもしれない。 探偵登場と言っても、ガチのハードボイルドでは、ない。 (淡く、可愛らしい装丁を見ただけ…
北緯43度のコールドケース 作者:伏尾美紀 講談社 Amazon 誘拐された女児が数年たってから、 遺体となって発見されるという事件。 誘拐犯は死亡、死体遺棄も、犯人が分からないまま、 暗礁に乗り上げる。 一人の、少々変わった経歴を持つ女刑事、沢村依里子…
月夜の羊 紅雲町珈琲屋こよみ 作者:吉永 南央 文藝春秋 Amazon お草さんを知らない人々は、彼女を「お節介婆さん」だと思うのだろう。 だが、彼女のちょっとした「お節介」が、人を救い、 人と人との絆を強めもする。 そんなお草さんの物語、「紅雲町珈琲屋…
ヒポクラテスの悔恨 法医学ミステリー「ヒポクラテス」 作者:中山七里 祥伝社 Amazon 重く切ない物語を読んだ後は、やっぱり、 こういう、シリーズものが、想像通りの、というか、 期待通りの筋立てとキャラたちの動きで、安心して読めていい。 「ヒポクラテ…
朝と夕の犯罪 作者:降田 天 KADOKAWA Amazon はるか昔から、連綿と続く人の悪意。 親子だからか、親子であることが、その悪意を呼ぶのか。 それなら、動物のように、そして悪意が生まれる前に、 その絆を断ち切るべきなのではないか。 虐待の連鎖。虐待で塗…
EVIL 東京駅おもてうら交番・堀北恵平 (角川ホラー文庫) 作者:内藤 了 KADOKAWA Amazon 「東京駅おもてうら交番」シリーズの五作目。 うら交番の世界で、永田が泥沼にはまっていく様子、 そして、おもて交番の世界で発生する通り魔殺人と、憑き物殺人。 いよ…
剣客商売一 剣客商売(新潮文庫) 作者:池波 正太郎 新潮社 Amazon 近頃、「剣客商売」を読み直している。 まだ、本満載の船便、第二弾が届かないものだから、 本棚にしまってあるシリーズを引っ張り出して来た。 ワタシなぞが、書くまでもない、 超有名な名…
残響 警視庁監察ファイル 作者:伊兼 源太郎 実業之日本社 Amazon あ~、三作目にして、やっと、片が付いた、のだよね。 二作目から、いろいろな人物や部署が関わり、 置いてかれないように、何とか、ついていったつもりだが、 ここに来て、より複雑さを増し…
三鬼 三島屋変調百物語四之続 (角川文庫) 作者:宮部 みゆき KADOKAWA Amazon あやかし草紙 三島屋変調百物語伍之続 (角川文庫) 作者:宮部 みゆき KADOKAWA Amazon 「三島屋変調百物語」シリーズの第四作、「三鬼」を 何度繰り返して読んだことだろう。 この…
きたきた捕物帖 作者:宮部みゆき PHP研究所 Amazon この作家さんは、人物描写がホントにうまい。 登場人物一人ひとりが、出てくると同時に、こちらの心をわしづかみにする。 だが、この作品の主人公、北一のキャラは、まだ、ぼうっとしている。 心を持ってい…
ブラックリスト 警視庁監察ファイル (実業之日本社文庫) 作者:伊兼 源太郎 実業之日本社 Amazon 読んでから視るか、視てから読むか、 よく、提起されること。 ワタシの場合、後者だった。 TVドラマ「密告はうたう」を視て、読んでみようと。 その時点で、も…
さよなら願いごと 作者:大崎 梢 光文社 Amazon 悪意のあの字もなさそうな装丁。 この作家さんの持つ、ふんわり、柔らかで、温かみのある これまでの作品の雰囲気にぴったり、と、思いはするのだが、 人生の苦味だって、そして、悪意さえも存在する。 第一話…