唯一ノ趣味ガ読書デス

ハードボイルドや刑事モノばっかりですが、読んだ本をご紹介。

2021-01-01から1年間の記事一覧

ワーゲンバスでさすらう探偵、今度はどの街で事件に遭遇する?香納諒一さんの「さすらいのキャンパー探偵 降らなきゃ晴れ」を読む。

さすらいのキャンパー探偵 降らなきゃ晴れ (双葉文庫) 作者:香納諒一 発売日: 2019/09/26 メディア: Kindle版 でしゃばる風でもなく、淡々と事件に向き合う。 このシリーズの辰巳翔一が好きである。 「さすらいのキャンパー探偵」シリーズ。 ワーゲンバスで…

町おこしのきっかけは「コルセット」。頑固だが、魅力たっぷりの老人たち、若者が革命を起こす。川瀬七緒さんの「革命テーラー」を読む。

革命テーラー (角川文庫) 作者:川瀬 七緒 発売日: 2020/10/23 メディア: 文庫 登場人物の全員のキャラの濃いこと。 だからと言って、濃すぎて、ゲップということではない。 不満だらけの日々をやり過ごしている、主人公の僕、アクア。 つぶれかけた商店街の…

いよいよ、完結。メゾン・ド・ポリスのおじ様たちに、また、どこかで会えますように。加藤実秋さんの「メゾン・ド・ポリス6 退職刑事と引退大泥棒」を読む。

メゾン・ド・ポリス6 退職刑事と引退大泥棒 (角川文庫) 作者:加藤 実秋 発売日: 2021/03/24 メディア: Kindle版 いつもの調子で読んでいたら、完結巻だった。 シリーズ、六作くらいがちょうどいいのか。 ただ、すべてに決着がついているわけではなさそうな…

この本屋にもいた、名探偵が。軽いばかりじゃない、ちょっぴり、苦いミステリー。似鳥鶏さんの「レジまでの推理 本屋さんの名探偵」を読む。

レジまでの推理~本屋さんの名探偵~ (光文社文庫) 作者:似鳥 鶏 発売日: 2018/05/25 メディア: Kindle版 本屋とか、図書館とか、本が集まる場所を舞台にしたミステリーと聞いたら、 やっぱり、手に取ってしまう。 特に、本屋モノ、一般書店ばかりでなく、古…

ボートチェイスが圧巻!スピード感が半端ない。吉川英梨さんの「波動 新東京水上署」を読む。

波動 新東京水上警察 (講談社文庫) 作者:吉川 英梨 発売日: 2016/09/15 メディア: 文庫 「新東京水上警察署」シリーズの一冊目。 東京五輪開催に向けて、廃止されていた水上警察署が、 期間を限って、五港臨時警察署として復活。 その署に係長として配属され…

「巣」を狩る殺人鬼、「パパ」の正体とは…、雨宮縁は殺人鬼を狩る「ハンター」なのか。内藤了さんの「ネスト・ハンター 憑依作家 雨宮縁」を読む。

ネスト・ハンター 憑依作家 雨宮縁 (祥伝社文庫) 作者:内藤了 発売日: 2021/03/26 メディア: Kindle版 「藤堂比奈子」シリーズの終了後、ロスに陥っていたら、 「建物因縁帳」「恵平」「夢探偵」、そして、 この「雨宮縁」シリーズと、さまざまなキャラが登…

警察学校に戻った恵平。でも、大事な「仲間」のホームレスが消えたとなったら、いつも通りに捜査に加わって…。内藤了さんの「DOUBT 東京駅おもてうら交番」を読む。

DOUBT 東京駅おもてうら交番・堀北恵平 (角川ホラー文庫) 作者:内藤 了 発売日: 2021/03/24 メディア: Kindle版 シリーズ五作目。 今作の恵平は、最後の研修となる警察学校に戻っている。 と言っても、平野や桃田との絡みがないわけじゃない。 警察学校から…

バツイチ新米女刑事と、元義父の刑事とのコンビ誕生。と、思いきや、謎の精神科医も加わって…。梶永正史さんの「アナザー・マインド X1捜査官・青山愛梨」を読む。

アナザー・マインド ×1捜査官・青山愛梨 (ハルキ文庫) 作者:梶永正史 発売日: 2018/12/13 メディア: 文庫 捜査一課のバツイチ新米女刑事、青山愛梨が、 コンビを組まされた相手は、元義父の吉澤だった。 こういうコンビ設定は、面白いかもって思っていたら、…

昆虫好きの「おとぼけ」探偵、魞沢が再登場。ゆかりの人物たちが、謎を引き連れてくる。櫻田智也さんの「蝉かえる」を読む。

蝉かえる サーチライトと誘蛾灯 (ミステリ・フロンティア) 作者:櫻田 智也 発売日: 2020/07/13 メディア: Kindle版 とぼけた名探偵、「魞沢泉」シリーズの二作目。 一作目を読んだ時から、ずっと、思っていた。 魞沢泉という人物は、何者なのか。 その答えの…

光崎教授の、解剖から真実にたどり着く鋭さは、いつもの通り。だが、今回の相手は、ちょっと勝手が違うか、感染症…。中山七里さんの「ヒポクラテスの試練」を読む。

ヒポクラテスの試練 法医学ミステリー「ヒポクラテス」 作者:中山七里 発売日: 2020/07/03 メディア: Kindle版 光崎教授、キャシー、真琴、そして埼玉県警の古手川刑事、 お馴染みの面々の活躍。 「ヒポクラテス」シリーズの三冊目。 相変わらず、光崎教授に…

元警部の弟がホームズ役で、兄がワトソン。喫茶店を経営する兄弟が、いろいろな謎をサクッと…。似鳥鶏さんの「パティシエの秘密推理 お召し上がりは容疑者から」を読む。

パティシエの秘密推理 お召し上がりは容疑者から 作者:似鳥鶏 発売日: 2013/09/04 メディア: Kindle版 誰が主人公なんだ?と、少々迷い気味。 結局、ホームズ役は、弟の元警部、惣司智(さとる)で、 そのお兄ちゃん、季(みのる)がワトソンという役回りだ…

現代版「必殺仕事人」?悪徳警官、キャリアをバッサリ。古野まほろさんの「監殺 警務部警務課SG班」を読む。

監殺 (角川文庫) 作者:古野 まほろ 発売日: 2021/02/25 メディア: 文庫 冒頭の交通事故事案。 加害者有利に進める検察。 そして、極めつけのパワハラ。 こんなことが本当にあったら…。 何しろ、著者は、元警察キャリアなんだから。 単なる、エンタメ小説とも…

平気で命を懸ける、いや、狂っているだけ。異能者、トウヤと、捜査官、珠子とのコンビが楽しい。吹井賢さんの「破滅の刑死者」を読む。

異能者を扱った物語を読むのは、久々だ。 大体は、異能者同士の戦いの面白さが主となるが、 この作品は、それに加え、不可思議な香りがする。 戻橋トウヤという青年の言動が、物語の核となる。 何をどう考え、どう動くのか、 誰にも理解できない。 物語の中…

加害者家族は、生きていてはいけないのでしょうか。その血は、断たれなければならないのか。吉川英梨さんの「ブラッド・ロンダリング」を読む。

ブラッド・ロンダリング 作者:吉川英梨 発売日: 2020/03/26 メディア: 単行本 事件の被害者家族、そして、加害者家族。 どちらも大きな傷を負い、それによって、人生を台無しにされる。 その傷み、苦しみは、同じようで違い、違うようで同じだ。 だが、もち…

待望の「姫川玲子」シリーズ、最新刊!いつも通り、姫川独特のカンが冴えわたる。気になる情報も…。誉田哲也さんの「オムニバス」を読む。

オムニバス 警部補 姫川玲子 作者:誉田 哲也 発売日: 2021/02/23 メディア: Kindle版 待ちに待った、「姫川玲子」シリーズの短編集。 七編が収録されている。 七編の中には、現在の「姫川班」の メンバーの視点で進む物語があり、 外から見た姫川像が垣間見…

「所轄魂」シリーズの第3弾。葛木が挑む立てこもり事件の犯人は、元SIT隊員!?要求は、警察を破滅させること。笹本稜平さんの「所轄魂 強襲」を読む。

強襲: 所轄魂 (徳間文庫) 作者:稜平, 笹本 発売日: 2018/06/08 メディア: 文庫 父親は所轄刑事、息子は警察幹部。 このコンビが活躍する「所轄魂」シリーズの三作目。 江東区のアパートで、立てこもり事件が発生した。 元妻を人質にして立てこもっている犯人…

雨の中、小五の少女が姿を消す。その日から、県警刑事の長い戦いが始まった…。吉川英梨さんの「雨に消えた向日葵」を読む。

雨に消えた向日葵 (幻冬舎単行本) 作者:吉川英梨 発売日: 2019/09/18 メディア: Kindle版 この作家さんの作品は、軽めのミステリーや警察小説を読んできたが、 この作品のように、重くて、厚みのある物語もいい。 命を狙われる逃亡劇もない、 ジェットコース…

世界の旅に出られない今、各国のスイーツを堪能、ついでにホンワカ気分も味わって…。近藤史恵さんの「ときどき旅に出るカフェ」を読む。

ときどき旅に出るカフェ 作者:近藤史恵 発売日: 2017/07/28 メディア: Kindle版 コージーミステリーというジャンルに入るのだろうが、 もっと軽めな感じ。 なにしろ、十編も収録されていて、すごく得した気分になる。 この作家さんの作品、「ビストロ・パ・…

カメラマン兼探偵の辰巳が、愛車のワーゲンバスで日本をさすらう…。寄り道した街で事件に遭遇し…。香納諒一さんの「見知らぬ町で さすらいのキャンパー探偵」を読む。

さすらいのキャンパー探偵 見知らぬ町で (双葉文庫) 作者:香納諒一 発売日: 2019/11/28 メディア: Kindle版 「さすらいのキャンパー探偵」シリーズの 三冊目だそうだ。 ジャンルとしては、どうだろう、探偵モノで、 ハードボイルドに入るのだろうか。 だが、…

やりたい放題の美人刑事、でも、中身はオジサン?竜めぐみが3つの事件の犯人を追い詰める。鯨統一郎さんの「ドラゴンリップ刑事・竜めぐみの体当たり捜査」を読む。

ドラゴンリップ 刑事・竜めぐみの体当たり捜査 (双葉ノベルス) 作者:鯨統一郎 発売日: 2014/06/27 メディア: Kindle版 倒叙ミステリーというのは、初めから犯人が分かっているのだから、 犯人に至る謎解きよりも、刑事や探偵が事実を確かめ、推理を重ね、 追…

ショッピングモールで発生した無差別大量殺人。生き残った者は、何を隠しているのか。真実とは、一体、何だ…。呉勝浩さんの「スワン」を読む。

スワン (角川書店単行本) 作者:呉 勝浩 発売日: 2019/10/31 メディア: Kindle版 三人組の犯人(一人は、仲間割れの末、殺害される)が 大型ショッピングモール、「スワン」で、無差別に殺戮を繰り広げ、 最後に自殺してしまう。 二十一名もの死者を出したそ…

「神探偵」と勘違いされ、ひょんなことから探偵の真似事をする羽目になった「紙鑑定士」。事件はどんどん、広がって…。歌田年さんの「紙鑑定士の事件ファイル」を読む。

紙鑑定士の事件ファイル 模型の家の殺人 (宝島社文庫) 作者:歌田年 発売日: 2021/02/04 メディア: Kindle版 ただ、淡々と、平坦な道を歩いていくようで、 ヒリヒリ感は無いなと思っていたら、後半過ぎて、 スーパーカー、「アヴェンタドール」ですっ飛ばし、…

一筋縄ではいかない問題が多すぎる…。刑事・犬養が挑む相手は、民間医療?新興宗教? 中山七里さんの「ラスプーチンの庭」を読む。

ラスプーチンの庭 (角川書店単行本) 作者:中山 七里 発売日: 2021/01/29 メディア: Kindle版 このシリーズは好きなのだが…。 「切り裂きジャックの告白」に始まる、 刑事・犬養隼人シリーズも、短編集も含み六冊目。 第一作の臓器移植から、子宮頸がんワクチ…

「日本をバーションアップする」が口癖の、変人官僚、吉良がコロナ感染に挑む。真行寺も登場します。榎本憲男さんの「DASPA 吉良大介 コールドウォー」を読む。

コールドウォー DASPA 吉良大介 (小学館文庫 え 8-4) 作者:榎本 憲男 発売日: 2021/01/04 メディア: 文庫 このシリーズは、「巡査長」シリーズの表であり、裏である。 「日本をバージョンアップする」が口癖の官僚、吉良と、 あくまで、自由を求め続ける、巡…

女であること、男社会で生きること、母親であること…、突っ張る女性警部とLGBTの部下、異色コンビ誕生か。吉川英梨さんの「新宿特別区警察署 Lの捜査官」を読む。

新宿特別区警察署 Lの捜査官 (角川書店単行本) 作者:吉川 英梨 発売日: 2020/11/27 メディア: Kindle版 キーワードは「LGBT、そして母親」。 新宿の歌舞伎町、二丁目を中心とした一画を管轄する、 新宿特別区警察署。その女性幹部として奮闘する新井琴音警…

生真面目な薬剤師、毒島さんシリーズ。今回は、コロナのお話も…。塔山郁さんの「毒をもって毒を制す 薬剤師・毒島花織の名推理」を読む。

毒をもって毒を制す 薬剤師・毒島花織の名推理 (宝島社文庫) 作者:塔山郁 発売日: 2021/01/08 メディア: Kindle版 生真面目すぎるほど生真面目、だが、優しさが垣間見える 薬剤師、毒島さんシリーズの三作目。 ちょっと前に、病院薬剤師が主人公のドラマをや…

今度は、公安に追っかけられる、修司、鑓水、相馬の三人。スクランブル交差点で死んだ老人の行動の意味は…。太田愛さんの「天上の葦」を読む。

天上の葦【上下 合本版】 (角川文庫) 作者:太田 愛 発売日: 2019/11/21 メディア: Kindle版 修司、鑓水、相馬シリーズの三作目。 このシリーズの醍醐味は、「追っかけっこ」だ。 警察、殺し屋、公安といったものから、逃げて、逃げて、逃げまくる。 だが、た…

三十年以上前の冤罪事件、二十三年前の夏の失踪、そして現在の少女失踪が結びついたとき…。太田愛さんの「幻夏」を読む。

幻夏 (角川文庫) 作者:太田 愛 発売日: 2017/08/25 メディア: Kindle版 修司、鑓水、相馬に、また、どうしても会いたくなって。 事件の様相が二転、三転する様は、前作と同様。 次に何が来るかと思う分、楽しみが倍増する。 人生は、時として、他人の思惑で…

殺し屋に命を狙われながら、三人は真相を追う…、「通り魔殺人」の真の意味は…。太田愛さんの「犯罪者」を読む。

犯罪者【上下 合本版】 (角川文庫) 作者:太田 愛 発売日: 2017/01/25 メディア: Kindle版 クセの強い、一匹狼の刑事あるいは探偵が、 真相を追うストーリーもいいけれど、 ニワカのチームが一つになって、動き回る物語は、 チームの関係性がどんどん濃密にな…

通信指令室にかかって来た通報だけで、事件を解決?新しい「安楽椅子探偵」モノ。佐藤青南さんの「お電話かわりました名探偵です」を読む。

お電話かわりました名探偵です (角川文庫) 作者:佐藤 青南 発売日: 2020/12/24 メディア: Kindle版 Z県警通信指令室の女性警官、君野いぶきが名探偵役をつとめるのだが、 視点として話を進めるのは、いぶきの隣に座る、 後輩の早乙女廉。 110番に掛かって来…