唯一ノ趣味ガ読書デス

ハードボイルドや刑事モノばっかりですが、読んだ本をご紹介。

2020-01-01から1年間の記事一覧

いつものように好奇心旺盛で、元気なオジサマたち…。加藤実秋さんの「メゾン・ド・ポリス5 退職刑事と迷宮入り事件」を読む。

メゾン・ド・ポリス5 退職刑事と迷宮入り事件 (角川文庫) 作者:加藤 実秋 発売日: 2020/05/22 メディア: Kindle版 シリーズの五作目ともなると、安定感があるし、 すでに、登場人物の魅力にどっぷりつかっているので、 す~っと、物語に入り込める。 様々な…

中2女子の、青春ミステリーかと、油断した。こんな結末って…。若竹七海さんの「クールキャンデー」を読む。

クール・キャンデー (祥伝社文庫) 作者:若竹 七海 発売日: 2000/10/01 メディア: 文庫 主人公の視点で、独白のような形式で進む物語は苦手だ。 主人公の思考に支配、コントロールされるような気がするから。 本の装丁からくる印象、そして、 主人公が中学二…

錦糸町、亀戸…、あぁ、バスに乗りたくなってきた…。西村健さんの「バスを待つ男」を読む。

バスを待つ男 (実業之日本社文庫) 作者:西村 健 発売日: 2020/04/07 メディア: 文庫 近頃は、TVのバラエティ番組や、 朝のワイドショーの一コーナーで、 よく見かける。 路線バスの旅。 無趣味だった退職した刑事が見つけた楽しみも、 シルバーパスを利用し…

薬剤師とホテルマンの微妙なコンビが誕生する?塔山郁さんの「薬も過ぎれば毒となる 薬剤師・毒島花織の名推理」を読む。

薬も過ぎれば毒となる 薬剤師・毒島花織の名推理 (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ) 作者:塔山 郁 発売日: 2019/05/10 メディア: 文庫 薬剤師とホテルマンのコンビ(?、コンビと言っていいのか)が 薬に関する、事件というほどもないが、トラブルや困…

父親が夢見たラクエンとは? 母親の違う四人の兄妹たちが、夏に出会ったものとは。小路幸也さんの「ナモナキラクエン」を読む。

ナモナキラクエン (角川文庫) 作者:小路 幸也 発売日: 2014/05/24 メディア: 文庫 家族の物語を書かせたら、ホント、上手いと思う。 これまで、さまざまな家族形態、絆というものを 見せてくれた。 今回は、父親と兄妹四人、山(サン)、紫(ユカリ)、 水(…

「憑依作家」雨宮縁とは、一体、何者なのか…。内藤了さんの「スマイル・ハンター 憑依作家 雨宮縁」を読む。

スマイル・ハンター 憑依作家 雨宮縁 (祥伝社文庫) 作者:内藤了 発売日: 2020/03/13 メディア: 文庫 この作家さん、よくもまあ、 次々に新しいキャラクターを生み出せること。 藤堂比奈子シリーズ(終了はしたが)、 よろず建物因縁帳、東京おもてうら交番、…

武骨で頑固な元刑事。息子を探しに、鹿児島からやって来た…。永瀬隼介さんの「霧島から来た刑事」を読む。

霧島から来た刑事 (光文社文庫) 作者:隼介, 永瀬 発売日: 2020/02/04 メディア: 文庫 不器用で頑固、ちょっとやそっとじゃ根を上げない、 昭和の刑事を色濃く感じさせる。 かと思うと、軽めの言動の、いわゆる今的な刑事も登場し、 そのチグハグさが、読んで…

「タフ」、「最強」。どちらも、オンナ探偵、葉村晶の代名詞。「プレゼント」から「静かな炎天」まで読み直す。

プレゼント (中公文庫) 作者:若竹 七海 発売日: 1998/12/01 メディア: 文庫 さよならの手口 (文春文庫) 作者:若竹 七海 発売日: 2014/11/07 メディア: 文庫 悪いうさぎ (文春文庫) 作者:若竹七海 発売日: 2005/05/20 メディア: Kindle版 依頼人は死んだ (文…

ボディガード、キリが、今回は探偵の真似事を?…、大沢在昌さんの「爆身」を読む。

爆身 (文芸書) 作者:在昌, 大沢 発売日: 2018/05/16 メディア: 単行本 ボディガード・キリシリーズ。 今回は、「呪殺」とか、「人体発火」とか、 少々、オカルトっぽい要素が混ざりこんでいるし、 また、身辺警護より、調査が主体となって、 肩透かし、とい…

毒舌満開、イタズラ好きな、悪魔のような9歳の姪、賢一は振り回されっ放しで…。深水黎一郎さんの「テンペスタ 最後の七日間」を読む。

テンペスタ 最後の七日間 (幻冬舎文庫) 作者:深水 黎一郎 発売日: 2016/10/07 メディア: 文庫 まあ、こんな小学四年生がいたら、 極力、お近づきになりたくない、ならないようにしようと、 読みだしてすぐに思ってしまった。 遠巻きに見ている分には楽しい。…

恋人をひき逃げで失った男が、真相をつかむため警官になった。だが、彼は人殺し…。弐藤水流さんの「仮面警官」を読む。

仮面警官 (幻冬舎文庫) 作者:弐藤水流 発売日: 2012/02/08 メディア: Kindle版 !って、完結せず、続編に持ち込しか…。 TVドラマでもよくある、「続きは劇場版で」っていう 流れを見せられたような。 で、後から調べたら、現在、シリーズ6巻まで出ているとか…

超能力で犯罪を未然に防ぐ…、強烈な個性の捜査官ら。鈴木麻純さんの「重犯罪予測対策室」を読む。

重犯罪予測対策室 (幻冬舎文庫) 作者:鈴木 麻純 発売日: 2014/05/15 メディア: 文庫 ここのところ、ESP(超能力の一種と言われる超感覚的知覚)が 絡んだ警察モノを立て続けに読んでいる気がする。 正統な刑事モノ愛好家には、超能力は反則のようなものだが…

笑う執行人、とは…?久間十義さんの「笑う執行人 女検事・秋月さやか」を読む。

笑う執行人 女検事・秋月さやか 作者:久間 十義 発売日: 2017/05/27 メディア: 単行本 物語がのらりくらりとして、つかみどころが無いというか…。 警察(主に、刑事二人の視点)、検察、プロファイラーなどの視点で 物語は進んでいく。 謎を解明していく道筋…

時は昭和、片田舎の駐在さんとその妻の、ほんのり温かなミステリー。小路幸也さんの「駐在日記」を読む。

駐在日記 (単行本) 作者:小路 幸也 発売日: 2017/11/18 メディア: 単行本 おなじみのホンワカミステリーである。 そして、舞台は昭和、地方の駐在所。 それだから、こういう、誰も傷つかない、という始末の付け方も アリかとも思う。 悪意はどこにもない、仮…

「傍聞き」に登場した母娘コンビが帰ってきた…、長岡弘樹さんの「緋色の残響」を読む。

緋色の残響 作者:長岡 弘樹 発売日: 2020/03/18 メディア: 単行本 短編の名手ならではの、面白みがギュッとつまった作品だ。 特に、この作品は「傍聞き」で登場した、 刑事であるシングルマザーの羽角啓子と、その一人娘、葉月との コンビの連作モノであるか…

「能力って、あってもそんなに役に立つものではない、犯罪以外は…」、河合莞爾さんの「カンブリア 邪眼の章 警視庁『背理犯罪』捜査係」を読む」

カンブリア 邪眼の章 警視庁「背理犯罪」捜査係 (中公文庫) 作者:河合莞爾 発売日: 2020/03/19 メディア: Kindle版 オカルト分野と刑事モノの融合といったところか。 近頃、霊や、異界の魔物といったものとコラボする警察小説を よく見かける。 脳領域など、…

膨大な知識量に圧倒される。芸術探偵、瞬一郎がパリで遭遇した事件とは…。深水黎一郎さんの「花窗玻璃 シャガールの黙示」を読む。

花窗玻璃 シャガールの黙示 (講談社ノベルス) 作者:深水黎一郎 発売日: 2012/12/03 メディア: Kindle版 海埜と、そしてその甥である瞬一郎。 この二人のやり取りは、相変わらず、絶妙であり、 このやり取りを読むだけでも楽しい。 天才的頭脳を持ち、行動は…

人の顔を見たら忘れない、特殊能力を持つ新米刑事と、クールな上司のコンビの行く末は…。愁堂れなさんの「忘れない男 警視庁特殊能力係」を読む。

忘れない男 ~警視庁特殊能力係~ (集英社オレンジ文庫) 作者:愁堂 れな 発売日: 2019/10/18 メディア: 文庫 「見当たり捜査を知っていますか?」というコピーに惹かれたのだが、 読んでみれば、肝心の見当たり捜査官としての事件はさわりだけ。 主人公である…

奇妙な空き巣の死、連続わいせつ事件、そして三十年前の少女殺害に卯月枝衣子が挑む…。樋口有介さんの「礼儀正しい空き巣の死」を読む。

礼儀正しい空き巣の死 作者:樋口有介 発売日: 2020/03/11 メディア: 単行本 国分寺署の女刑事、卯月枝衣子の二作目だそうで、 う~ん、またもや、一作目をミスした…。 この作家さん、ルポライターの柚木シリーズが代表的だが、 女刑事が主人公の作品も他にあ…

東京駅の仲間たちに支えられながら、警察官の卵、ケッペーは少しずつ、成長してます…。内藤了さんの「PUZZLE 東京おもてうら交番」を読む。

PUZZLE 東京駅おもてうら交番・堀北恵平 (角川ホラー文庫) 作者:内藤 了 発売日: 2020/03/24 メディア: 文庫 またもや、猟奇的事件の発生。 堀北恵平シリーズの三作目。 老人が盗んだスーツケースの中から、男性の胴体が見つかる。 事件はここから始まる。 …

相変わらず鋭いエンマ様だが、最終話で稀代のサイコパス、楠木が現れ…。佐藤青南さんの「ツインソウル 行動心理捜査官・楯岡絵麻」を読む。

ツインソウル 行動心理捜査官・楯岡絵麻 (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ) 作者:佐藤 青南 発売日: 2020/03/12 メディア: 文庫 エンマ様の前で、嘘をつき通せた犯罪者はいない…。 というわけで、楯岡絵麻シリーズの八作目。 四編を収めた連作モノだ。 …

惨殺された姉の顔を張り付けているオンナ刑事、レイカ…。樹のえるさんの「レイカ 警視庁刑事部捜査零課」を読む。

レイカ 警視庁刑事部捜査零課 (メディアワークス文庫) 作者:樹 のえる 発売日: 2015/02/05 メディア: Kindle版 ただの刑事モノなのか、はたまたオカルトものなのか…。 文体は、少々つっかえ気味、ストーリーはぶっ飛んでいる、ところもあるが、 まあ、面白さ…

高級旅館「銀の鰊亭」で火事があり、焼け跡から四人の遺体が見つかった…。小路幸也さんの「<銀の鰊亭>の御挨拶」を読む。

〈銀の鰊亭〉の御挨拶 作者:小路 幸也 発売日: 2020/02/19 メディア: 単行本(ソフトカバー) 解き明かされない謎がいっぱい残り、 続編ありきのストーリー展開で、 どうも、釈然としなかった。 人の繋がりや、温かさは、この作家さんの作品全般の テーマの…

爆弾を身に付けられ、マラソンさせられた女性が、ゴール目前で爆死…。戸南浩平さんの「炎冠 警視庁捜査一課七係・吉崎詩織」を読む。。

炎冠-警視庁捜査一課七係・吉崎詩織 (中公文庫) 作者:戸南 浩平 発売日: 2020/01/21 メディア: 文庫 女刑事には、よく、頑固で融通のきかない 中年のオッサン刑事が相棒につく。 そういった刑事モノは、最初は、相手を忌々しく思いながら、 そしてギクシャク…

「真犯人の遺体が欲しければ見つけてみろ。さあ、遺体捜しの始まりだ」…。下村敦史さんの「コープス・ハント」を読む。

コープス・ハント 作者:下村 敦史 発売日: 2020/01/31 メディア: 単行本 女性連続殺人鬼、浅沼聖悟は、八人の女性を殺害した罪で裁かれ、 死刑が確定した。 だが結審の場で浅沼は、八件のうちの一件、 水本優香の殺人は自分の犯行ではなく、 自分は真犯人を…

新婚夫婦が手斧で惨殺された。殺害された若妻の口には、結婚式場のパンフレットが押し込まれ…。前川裕さんの「酷 ハーシュ」を読む。

酷: ハーシュ 作者:前川 裕 発売日: 2014/02/21 メディア: 単行本 人の悪意や狂気の塊を描いた作品の多い作家さんなので、 どこに闇の落とし穴があるのだろうかと、 どうしても最初から身構えてしまった。 手斧による凄惨な連続殺人ではあるが、 普通の警察…

自由人の芸術探偵、瞬一郎、叔父の海埜刑事、そして濃いキャラの大癋見警部、個性派が勢ぞろい…。深水黎一郎さんの「エコール・ド・パリ殺人事件」を読む。

エコール・ド・パリ殺人事件 レザルティスト・モウディ (講談社文庫) 作者:深水 黎一郎 発売日: 2011/05/13 メディア: 文庫 この作家さんは、先日読んだ「倒叙の四季。。。」が初読みで、 探偵役の海埜とその甥、神泉寺瞬一郎コンビの面白さに惹かれ、 「芸…

不可思議な謎を解き明かす、パントロジストと、その姪、なつみの活躍。樹のえるさんの「パントロジスト 三枝ジョーの終わりなき探求 <上下>」を読む。

パントロジスト<上> ―三枝ジョーの不思議事件ファイル―<パントロジスト> (メディアワークス文庫) 作者:樹 のえる 発売日: 2015/02/05 メディア: Kindle版 パントロジスト<下> ―三枝ジョーの終わりなき探求―<パントロジスト> (メディアワークス文庫) 作者:樹 …

新米警官、桐野を待ち受けていたのは、やる気のない、ごんぞう警官たちだった。だが、彼らの真意は…。佐野晶さんの「ゴースト アンド ポリス GAP」を読む。

ゴースト アンド ポリス GAP 作者:晶, 佐野 発売日: 2019/12/18 メディア: 単行本 「ごんぞう」と呼ばれる、警察官の風上にも置けないような、 やる気のない警官たち。 ごんぞう警官の吹き溜まりともいうべき 神奈川県にある鳩裏交番に配属させられた 新米警…

無自覚霊感女子、澪が配属されたのは、幽霊付き「訳アリ」物件を片づける部署だった…。竹村優希さんの「丸の内で就職したら、幽霊物件担当でした。」を読む。

丸の内で就職したら、幽霊物件担当でした。 (角川文庫) 作者:竹村優希 発売日: 2017/10/25 メディア: Kindle版 ライトノベルっぽいが、なかなかに読ませる力を持った 作品だった。 主人公の澪は、無自覚ながら、霊感を持った女子で、 その力を見込まれ、一流…